2017年5月7日 復活後第3主日
ヨハネ10:1~16 使徒6:1~10 Ⅰペトロ2:19~25

今週の聖句

「こうして、羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる」
ヨハネによる福音書 10章16節

ねらい

・イエスが私たちの羊飼いとなってくださり、ご自分の命を捨てて私たちに命を与えようとしてくださっていることを伝えたい。

説教作成のヒント

・イエスは「良い羊飼いは羊のために命を捨てる」と言われた。しかし、自分の羊を持つ良い羊飼いであっても生活のために羊を飼っているのであって羊のために自ら命を捨てるとは考えにくい。したがって、この「良い羊飼い」とはイエスのことである。イエスの私たちへの関わりについて教えられた言葉である。

・神とその民を羊飼いとその羊に例えることは詩編23編やイザヤ40.11などに記されている。イエスは「わたしには・・・ほかの羊もいる」と言われた。マタイ28.16やマルコ16.15にあるイエスの世界への伝道命令を考えるなら、「ほかの羊」とは異邦人のことで、イエスはご自身を世界の人々をご自分の羊と考えておられたのである。

豆知識

・羊の囲いとは、悪天候の時や夜に羊を入れるために石や茨で作られた囲いのこと。

・羊の門は、羊の囲いの門のことで、門が仮小屋になっていて、羊飼いがそこで寝たり、門に羊飼いが横たわり、自らが戸となったりすることがあったようである

・飼っている羊の一匹一匹の特徴やその名前を覚えている羊飼いもいるという。また、羊も自分の羊飼いの声を知っていて、その羊飼いに従うという。

説教

外国を旅した人のこんな話を読んだことがあります。草原でのことです。その草原には小さな池があり、羊たちの水飲み場になっていました。羊飼いが何十匹という羊を連れてその水飲み場にやって来ました。少しして別の羊飼いがまた何十匹という羊を連れてその水飲み場にやって来ました。また少しして別の羊飼いが同じように何十匹という羊を連れてその水のみ場に来たのです。水飲み場は三人の羊飼いが連れて来たたくさんの羊で入り乱れています。旅人は、どの羊がどの羊飼いの羊か分からなくなってしまったけれど、どうするのだろうと思いながら見ていました。しばらくすると羊飼いたちはそれぞれ水飲み場から別々の方向に離れていきました。そして、それぞれの羊飼いが声をあげました。すると入り乱れていた羊たちは、自分の羊飼いの方へ動き出したというのです。羊たちは、自分の羊飼いの声を聞き分けて、それぞれ自分の羊飼いのところに集まっていったのです。羊は自分の羊飼いの声を知っていて、その声を聞き分けることができるのだそうです。

イエス様は「わたしは良い羊飼いです」と言われました。イエス様は私たちの羊飼いだと言われたのです。だから私たちはイエス様の羊です。だとすると私たちはイエス様の声を知っているということになります。どうだろう? 私たちは、イエス様の声を知っているかな? 「あっ、これはイエス様の声だ」と、イエス様の声を聞き分けることができるかな? 「私はイエス様の声を知らないかもしれない」と心配になった人もいるかもしれません。けれども、心配する必要はありません。

 最初に考えたいことは、羊飼いであるイエス様が私たちひとりひとりのことをよく知っていてくださるということです。私たちの声を知っていてくださり、私たちが「イエス様!」と呼びかけると、その声を聞いただけで誰が呼んだのかちゃんと分かってくださるのです。そして、私たち一人一人のことをとっても大切に思っていてくださいます。私たちが羊飼いであるイエス様から離れて迷子にならないように守っていてくださるし、もし、迷子になってしまっても必ず見つけてくださると約束してくださっています。イエス様という羊飼いは、どんなことがあっても、自分の羊を守ってくださいます。イエス様は、自分の命を捨てても羊を守ると言われたのです。

そして、私たちのことが大好きなイエス様のことを、私たちも大好きでいるということが、イエス様の声を知っているということなのです。だから、安心していて大丈夫です。そして、イエス様という優しい羊飼いのことを周りにいる人たちに伝えていくことができたらと思います。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□49番 「しゅイエスのひつじ」

□改訂129番 「どんな時でも」

やってみよう

☆羊と漢字

スケッチブックかみことばノートを用意

羊という漢字は羊の姿から作られた象形文字 です(角のある頭と四本の足と尾)

一人の羊飼(君)のもとに集まる羊たちを「群」と 呼びました。

捧げものにする時は、その羊達の 中の一番大きなりっぱな羊をえらびました。それから美しいということば(漢字)ができまし た。 羊、群、美など羊に深く関係のある字がたくさんあります。書いてみましょう。

聖書振り返りクイズ

(Lv.1)イエス様は自分のことを、「良い羊飼い」と言いました。羊飼いってどんなお仕事でしょう。(答えの例:羊が迷わないよう導き、食べ物や飲み物を与え、狼に襲われた時には追い払う)

(Lv.2)羊は、羊飼いの声を聞くと、どうするでしょう?(答え:「ついてゆく」)

(Lv.3)羊が襲われている時、良い羊飼いはどうするでしょうか? (答え:「命を捨てる」、命がけで戦う)

(Lv.4)十字架の出来事の時、イエス様はどうされたでしょうか? (答え:十字架で命を落とされた)

(Lv.99)教会のある人達は、「羊飼い」という言葉の違う言い方を元に呼ばれています。さて、誰がどんな呼び方をされているでしょう。(ヒント

羊を飼うことを、「牧羊」とも言います)(答え:牧師)

はなしてみよう

最も古い昔から羊たちは人間の仲間でした。今 でも中国からイスラエルにかけて中央アジア には、遊牧民と羊たちが生活しています。絵本、 写真集でたしかめて話し合いましょう。