TNG The Next Generation

2017年4月16日 復活祭

福音書 ヨハネ20:1-18
第一の日課 使徒10:39-43
第二の日課 コロサイ3:1-4

今週の聖句

「婦人よ、なぜ泣いているのか。誰を捜しているのか」
ヨハネによる福音書20章15節

説教作成のヒント

・日課は復活物語の一場面。「婦人よ」とは、マグダラのマリアのことです。復活の記事は各書簡に違いがありますが、ヨハネでは、このマリアが墓を訪れたことになっています。マリアは墓の外に立っていました。最初に話しかけるのは「白い衣を着た二人の天使」。そして復活のイエスもマリアの傍に立たれ、おっしゃったのが今朝の御言葉です。「婦人よ、なぜ泣いているのか。誰を捜しているのか」。復活顕現の物語は、信仰の中核に位置しますが、お話をする際、このような場面に基づいていることを心に留めて、思いめぐらすのもよいでしょう。泣いて途方にくれるものが、最初の復活顕現に出会っているという記述は意外と忘れられがちであり、また計り知れない意味を持っているように思うからです。

・復活のイエスの最初の一声にも注目したいと思います。「私は復活したぞ」でもなく、「私は死に勝利した」でもなく、ましてや「私は永遠の命だ」とも言われていません。あくまでも静かな佇まいで、涙を流し途方にくれるマリアに寄り添うかのような言葉です。「婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか」。それはあたかも迷子の子どもに話しかける道行く親切な人の声に似ています。その寄り添いの平凡さに、マリアは園丁だと勘違いをします。この勘違いにもまた、子供と共に復活信仰を考え、あるいは思いをめぐらすキーワードになるかもしれません。実際、迷子のように泣きじゃくるほかなすすべのない者のところにイエスは寄り添い、宣言されるのです。それは大音量の宣言ではなく、ささやくような落ち着いた声であったと想像します。復活は説明ではなく、その生きた場面において、しかもまさに見失ったと泣いて途方に暮れ、あるいは勘違いをするその場面において、背後に立たれ、呼びかける声を通して、マリアは復活体験をするのです。

説教

(卵探しをするとき)。イースターおめでとうございます。イースターの卵さがしはとても楽しいですね。意外なところにあるのを見つけると、とってもうれしいです。イースターはイエスさまが復活なさった日を記念して、お祝いする日です。とってもうれしくて楽しい日なのですが、最初のイースターはどんなだったのでしょう。それが今朝の御言葉です。

最初のイースターには意外性があります。どこの教会でもイースターおめでとうといって教会に集まります。エッグ・ハンティングをしたり、きれいなお洋服を着たり、おいしいお食事をいただいたりします。2000年間も、どこの教会でもしているのです。でも、最初のイースターは、泣いている人が登場人物です。

「婦人よ」と言われていたのは、マグダラのマリアさんでした。聖書をよく読むと、このマリアさんはイエスさまのことが大好きな人だったことが分かります。どうして泣いているのかというと、イエスさまが十字架に架かられて死なれたので、お墓に行っていたのです。その頃のお墓は大きな洞穴みたいなところに亡骸をおさめて、大きな岩でふたをしていたといいます。とっても大きな岩なのに、それが動かされていて、イエスさまがおられない。悲しいやら、驚くやら、マリアさんはどうしていいか分からずに泣いていたのではないかと思います。このマリアさんにイエスさまは「どうして泣いているんですか」とお声をかけられます。これがマリアさんにとって、復活のイエスさまからいただいた最初のお言葉です。

みなさんは迷子になったことがありますか。【わたしは】あります。小学3年生の頃、大きな遊園地にお母さんに連れていってもらいました。とっても楽しい一日になるはずだったのに、勝手なことをして迷子になってしまいました。もうお兄さんのつもりでしたから、誰かに助けを求めるのも恥ずかしいと思って、自分でお母さんを捜そうと何時間も歩いてまわりました。迷子になったら、本当はうろうろしてはいけないんだけれども、ずっとうろうろしていました。だからお母さんが一生懸命探しているのに、迷子の方もうろうろしているので、いつまでたっても見つかりませんでした。何時間もたって、くたくたになって流した涙もかれたころ、ようやくお母さんがやっと見つけてくれました。その時お母さんが最初にいった言葉は、「あんた、何してんの!」でした。とっても叱られました。とっても叱られましたが、とっても安心して嬉しかったことを今でもよく覚えています。

このとき泣いていたマリアさんも、このときの迷子のように泣いていたんだと想像します。大好きなイエスさまともう会えない悲しみもありましたし、お墓にいっても会えないので、どうしてよいか途方に暮れて泣いていたのだと思います。イエスさまはそのマリアさんの傍になってお声をかけられたのがこのセリフです。「どうして泣いているのですか」。マリアさんは、まだ泣いていたかもしれませんが、とっても安心して喜んだと思います。イエスさまの方が、マリアさんに近づいて、お声をかけてくださったのです。イエスさまの復活は、神さまの恵みの出来事です。マリアさんだけでなく、イエスさまを信じるみんなへの約束になっています。イエスさまはどんなことがあっても、何があっても、みんなを放っておかれない、という約束です。だからイースター、おめでとう、なのです。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□41番 「すくいのぬしはハレルヤ」

□改訂86番 「夜明けの星が」

やってみよう

☆たまごさがし

(用意するもの) ゆでたまご(食紅などで着色したものが望ましい)×人数分(以上)

<準備>

スタッフは、部屋や外などに、たまごを隠します。

この際、簡単で良いので隠した場所のメモを作成しておきます。

<探索>

こどもたちは、たまごさがしを行います。

人数に対して多数のたまごが用意されていない場合、1つ見つけたらそれでおしまいです。

みんなが自分のたまごを見つけたら、大事に持って帰りましょう。

<注意>

かならずその日に食べるよう、指導しましょう。

次週の教会カバンから発見されると……。

また、隠した卵も必ず回収しましょう。

後日ふとした拍子に発見すると……。

(なお筆者はどちらも経験しています)

☆聖書振り返りクイズ

(Lv.1)今日は、なんというお祝いの日でしょう。(答え:イースター)

(Lv.2)イエス様のお墓に、一番最初に行ったのは誰? (答え:マグダラのマリア)

(Lv.3)その人が見つけたお墓は、空っぽでした。なんででしょうか?(イエス様は復活したから)

(Lv.4)このことをイエス様が予告した箇所がありました。それはどこでしょう。正解は何箇所かあります。ヒントは、そのうち一箇所は3月12日の福音書です。(答え:マタイ16:21、17:23、20:19、ルカ9:22、18:33、24:7)

(Lv.99)イエス様が葬られたのは、金曜日の夕方。みんなが駆けつけたのは、日曜日の朝早く。いったいなんで、土曜日には誰も何もしなかったのでしょう?(答え:土曜日は安息日で、何もしてはいけない日だったから)

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