TNG The Next Generation

2016年9月4日 聖霊降臨後第16主日

福音書 ルカ14:25-33
第一の日課 申命記29:1-8
第二の日課 フィレモン1-25

今週の聖句

「自分の十字架を背負ってついて来る者でなければ、だれであれ、わたしの弟子ではありえない。」
ルカによる福音書14:27

ねらい

「自分や身内のことだけ」を考えるあり方から、「みんなのこと」を考えるあり方への(考え方の)転換を示す。

説教作成のヒント

親子の信頼関係が最も重要な時期にある児童にとって、この聖書の箇所は難解だ。「自分の家族や自分のいのちを憎め」という言葉をどう理解させるかが鍵になる。イエス様の語る「神の国」の実現と関連して説明を試みた。「自分の十字架を背負う」ということでも展開できるかもしれないが、児童の経験値に応じて、理解度が異なることを考慮すべきである。

豆知識

イエス様が、およそ三十歳のときに、洗礼者ヨハネによる洗礼を受けてから始められた生活は、イエス様の家族にとっては、なかなか理解し難いものであったようである。

マルコ福音書には、イエス様がおかしなことをしたり、話していると聞いて、身内がイエス様を取り押さえに来たこと、また母親のマリヤとイエス様の兄弟たちが連れだって、イエス様に会おうとして訪ねて来たことがあると記されている。たぶん、日課の言葉の背景には、イエス様の行動に対する家族の無理解があったのかもしれない。

説教

みんなにとって、大切なものって何だろう。おとうさん、おかあさん、大切だね。兄弟、家族、友だち、やっぱり大切だね。そして何より、自分自身。自分のことを大切に思わない人はいないんじゃないかな? たとえ、自分なんかどうでもいいや、って考えている人がいたとしても、その人の本当の気持ちは、誰かに「あなたは大切だよ」って言ってほしいのではないでしょうか。

今日のイエス様のお話し。イエス様があちこちの町で、「神様の国」について話をしたり、不思議な奇跡で病気の人を癒したりするので、大勢の人が「イエス様は、なんてすごい人なんだろう」と言って、イエス様の後をついていきました。中には、イエス様のお弟子になりたいという人たちもいました。ところがイエス様は、お弟子になりたいという人たちに、こんなことを言われたのです。「もしだれかがわたしのもとに来るとしても、父、母、妻、子供、兄弟、姉妹を、更には自分の命であろうとも、これを憎まないなら、わたしの弟子ではありえない」「自分の十字架を背負ってついて来る者でなければ、だれであれ、わたしの弟子ではありえない」。なんでイエス様はこんなことを言われたのでしょう。旧約聖書の中には、「あなたの父母を敬え」と書いてあります。また、イエス様も、ちがうところでは「自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい」と言っておられる。つまり、自分を大切にするように、他の人のことも大切にしなさいということです。イエス様自身が、自分を大切にしなさいと言っておられるのに、どうしてこの時は、「自分の家族や、自分の命を憎みなさい」なんてことを言われたのでしょう。

イエス様は、私に従ってきたいと思うのなら、家族や自分のことばかり大切に考えていてはいけない、ということを伝えたかったんじゃないかな。イエス様のお弟子になるということは、イエス様がめざしている「神様の国」を、イエス様と一緒に、この地上に拡げていくこと。イエス様が教えてくださった「神様の国」とは、悲しんでいる人泣いている人が誰もいなくて、みんなが仲良く幸せに暮らせる世界のことです。そのためには、自分や自分の家族のことばかりを大切に考えていてはいけない。どうしたら、みんなが幸せになれるかということを第一に考えなさい、ということです。イエス様は、けっして、自分や自分の家族をきらいになれ、大切にしなくていい、と言っているわけじゃありません。

誰だって、自分にとって大切なものは守りたくなる。昔、日本は、自分の家族や自分の国のことばかり大切に考えて、それを守るために、戦争をしました。それで結局は、たくさんの人が命をなくし、大切な家族も、日本という国も、そしてたくさんの他の国の人々も、ひどく傷つけてしまいました。それでは、いけないよって、イエス様は教えてくれているのです。みんなが仲良く幸せに暮らせる世界。これを「平和」といいます。この平和な世界を作り出すためには、よ~く考え、ときには、我慢をしたり、自分がいやだなと思うことも引き受けなくてはいけないかもしれない。でも、そうすることによって、自分ばかりでなく、みんなが幸せに暮らせる世界がおとずれるなら、どんなに神様は喜んでくださるでしょう。みんなも、イエス様のお弟子になって、イエス様と一緒に、「神様の国」、平和な世界を拡げていく、すばらしい仕事をする人になってください。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□31番 「キリストイエスは」

□119番(改訂版) 「主に従うことは」

やってみよう

☆大切なものを捨てて…

1、自分の大切なものを紙に書いて、紙ヒコーキを織る。

2、紙ヒコーキが入るくらいの空箱や空筒を的にして、ヒコーキを飛ばして入れる。意外と難しいです。空箱にイエス様の描いて貼ると良いですね。

3、紙ヒコーキは、自分の大切なもの。空箱の的はイエス様。大切なものを投げ捨てて、イエス様のあたたかいふところに飛び込みましょう。

4、みごと入ったら、先生と「おめでとう」言ってムギューっとハグしましょう。

話してみよう

・大切なもの(宝物)は何ですか?

・では、その大切なものはもともと誰のものか考えてみましょう。

・大切な何かを捨てるとはどういうことでしょう?捨てる場所は、イエス様の十字架の下(足元)だと考えてみてください。

・すべてを捨てて、イエス様の胸に飛び込んでみたら、どんな気持ちかな?

pdf / 印刷用レイアウト

次の日課へ ホーム 前の日課へ