TNG The Next Generation

2016年7月17日 聖霊降臨後第9主日

福音書 ルカ10:25-37
第一の日課 申命記30:1-14
第二の日課 コロサイ1:1-14

今週の聖句

「行って、あなたも同じようにしなさい」
ルカによる福音書10:37

ねらい

どう生きたらいいかということについて、神の教えを正しく知っているというだけではいけないのです。知っていて形だけそれを行うというのも意味がありません。教えが信仰の生き方として極自然に生活の中に出てくることをイエスは問題にしておられます。

説教作成のヒント

信仰の生き方として、「神を愛する」ことと、「隣人を愛する」ことを知識として知っているだけでは意味がありません。イエスはそれを「実行する」ことをお勧めになります。そこで問題になるのは「実行」のあり方です。「しなければならない」ということに縛られるのではなく、自然にそのように生きることができる生き方が大切なのです。

豆知識

「隣人」は英語でneighbor、「近い」という意味のnearと同類の単語です。つまり「隣人」は自分に「近い人」という意味になります。イエスのこのたとえを読む第一のヒントです。第二のヒントは「となる」というイエスのことばです。「である」ことに慣れ、安住するのではなく、自ら進んで、たとえ遠くの間柄でも、「近い人」に「なろう」とすることが大事なのです。

説教

イエスに質問したのは律法の専門家で、ユダヤ人の中でも神の律法についてよく知っているエリートです。それに対してイエスはたとえの中で、「サマリア人」を例として挙げて、お話しになりました。歴史的にユダヤ人とサマリア人は血筋では近いのに、ユダヤ人はサマリア人を軽蔑し、憎みさえして、互いに付き合いもしない間柄でした。イエスのたとえにでてくる旅人はユダヤ人だったでしょう。旅の途中で追いはぎに襲われ、傷を負い、すべてを奪われました。それを見ながら、同じユダヤ人の宗教指導者で、神に仕える祭司もレビ人もそこを通り過ぎて行ってしまいました。三人目にやって来たさマリア人は、介抱し、宿に連れて行き、お金を払い、その上「足りなければ、帰りにわたしが払います」と約束するのです。至れり尽くせりの仕方で、日頃相手にされないでいるユダヤ人の一人のために、必要と思われる精一杯のこと、いやそれ以上のことを心を込めてしてあげるのです。たとえの結びにイエスは弟子たちに向かってこう質問なさいました。「この三人の中でだれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか」と。もちろん、ユダヤ人とサマリア人の日頃の関わりを知り、いつもユダヤ人に軽蔑されてきたサマリア人です。普通の生活の日々では縁がなく、軽蔑さえされているサマリア人の旅人が「隣人になった」のです。「隣人」というのはただとなりに住んでいる人という意味だけでありません。たとえ日頃は隔たっていても、相手がどうしようもなく困っているときに、自分から「近く」に行って、その人を助けるように「する」、そういう人に「なる」ことにイエスは注目しておられます。人を愛するということは、その人が困っているときに、近くに行ってその人を助けることに現れてきます。「そうしよう」、「そうなろう」と思わずにおれない、愛から出る、具体的な助けに注目して、イエスは弟子たちにこのたとえをお話しになったでしょうね。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□61番 「いつくしみふかき」

□130番(改訂版) 「いつくしみ深い」

やってみよう

☆よりそうことば

その①

だれかが、「友だちにからかわれていやだった」と言ったとき、なんて言ったらいいでしょうか。

①「何か嫌われることを、きみもしなかったかい」

②「へいきさ、そんなことどうってことない」

③「そんなことでいじけていたら、生きていけないよ」

④「そうか、からかわれていやだったんだ」

⑤「くやしかったんだね」

☆たとえ話を演じてみよう

・今日の聖書に出てきた登場人物を子どもたちに聞く。(レビ人、祭司、サマリア人他)

・どんな立場の人でどんな仕事をしていたでしょうか?レビ人→人々から尊敬され、律法を守る正しい人。ユダヤ人と仲良し。祭司→神さまに仕える仕事をしていた。サマリア人→ユダヤ人と昔から仲良くなかった。

・今日の聖書を読んで、即席劇をしてみよう。

※時間があれば、いろんな役を交代して体験してみましょう。

・劇をした後、自分が演じた役の人物がどんな気持ちだったかを紙に書いて、発表しましょう。

話してみよう

その①

・追いはぎに襲われた人を見たら、あなたならどうしますか。

・通り過ぎた祭司やレビ人の気持ちを考えてみましょう。

・良いサマリア人はだれですか。

その②

誰かを助けるということは、そんなに簡単なことではないとおもうかもしれませんが、小さなことから考えてみると、私たちに出来ることは結構たくさんあります。自分が今までやってきた、誰かを助けたというエピソードを話してください。逆に、誰かに助けてもらったというエピソードはありますか?もし、自分が道路で怪我をしている人を見つけたら、あなたは祭司やレビ人のように振る舞いますか?それともサマリア人のように振る舞いますか?

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