2016年4月17日 復活後第3主日
ヨハネ10:22-30 使徒言行録13:26-39 黙示録7:9-17

今週の聖句

「わたしの羊はわたしの声を聞き分ける。わたしは彼らを知っており、彼らはわたしに従う。」
ヨハネによる福音書10:27

ねらい

羊の声を聞き分けるイエス様は私たちの声を聞いてくださる方であり、声をかけてくださる方であることを覚え、イエス様の声を聞く者として歩む。

説教作成のヒント

「聞き分ける」と訳される言葉はギリシア語では「アクオー」で、普通はただ「聞く」と訳される言葉だが、ここでは他の人の声と違うものとして聞き分けるという意味で受け取られている。「聞く」には「聞き従う」の意味もあり、イエス様に聞き従うことの大切さへとつながる。

「知る」はただ単に知識として知っているというのではなく、むしろ、両者の深いつながりを表す言葉として用いられている。

豆知識

人間は旧約でも新約でも羊に例えられてきたように、人間と羊には共通点に思える部分がいくつもある。羊は群れを作って生活し、群れから引き離されると多大なストレスを受けることから、一人では生きていくことの出来ない人間や人間社会と似ていたり、弱い動物だと言われたり、視力が悪く、近視であることが一つの理由で先導者について行く性質がある。そのくせ臆病でちょっとした物音などに敏感で、びっくりすると散り散りに逃げてしまい、道に迷うほど方向音痴。それでも自分の道を行こうとする姿は知ったかぶりであり、プライドの高い人間に似ている。

説教

 私たちの周りにはたくさんの音があります。いい音、悪い音、色々です。たとえば、電車が来る時に知らせてくれる音があります。車の急ブレーキの音はできれば聞きたくない音ですね。これは優しい音、これは危ない音、色々聞き分けられると思います。それだけではなく、親の声や自分を呼んでくれる声、名前も聞き分けられますね。

 羊はとても可愛い生き物ですが、それだけでは生きられない存在の代表例です。視野がせまく、鼻先しか見ていません。草をはむときも、すぐ隣の葉っぱも目に入らないくらいです。群れを動き、全体を誘導する羊飼いがいないと、危険な所に迷い込んでオオカミなどの餌食になってしまうこともあります。一匹の羊が間違えて水のない川に向かって歩いていくと全体が入っていってしまったりします。自分たちでは間違いに気づかない。羊飼いのように導いてくれる存在が必要なのが羊なのです。

 イエス様はご自分と私たちの関係を羊飼いと羊と言われます。私たち人間はしっかりしているように見えても神さまの目から見れば、羊のように「弱く、傷つきやすい存在であり、自分の力で歩もうとすると間違った方向に進んでしまう」存在なのでしょう。羊も私たちも一匹一匹は弱く、力がない存在です。でも、そんな羊が安心して歩めるようにイエス様は導いてくださいます。声をかけて良い方向へと連れて行ってくださいます。

羊飼いであるイエス様は何百匹といる羊の顔は同じに見えても、それぞれ一匹一匹の特徴をすべて知っており、その状態をいつも気にしている羊飼いです。あなたの名前も私の名前も知って呼んでくださいます。私たちの弱さを知り尽くしてなお私たちのために命を捨てて守ってくれる羊飼いです。その羊飼いの声に聞き従えば安心して歩んでいくことができるのです。ただイエス様の声を聞いていてもついて行かなくては良い方向へはいけません。神さまとのつながりを大切にして羊飼いイエス様の後に従いましょう。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□49番 「しゅイエスのひつじ」

□124番(改訂版) 「愛の主イエスは」

やってみよう

☆羊を作ろう

イエス様は「わたしの羊はわたしの声を聞き分ける」と言ってくださいました。その羊を作ってみましょう。

<材料>

・画用紙・鉛筆、マジック、クレヨン・ハサミ・綿(手芸用)・木工用ボンド(手芸用ボンド)

①画用紙に羊の絵を書き、切り取ります。

②羊の体の部分に木工用ボンドを使って綿を貼ります。

話してみよう

・「わたしの羊」とは誰のことでしょうか。