2015年7月19日 聖霊降臨後第8主日
マルコ4:35-41 ヨブ38:1-11 2コリント7:1-16

今週の聖句

「なぜ怖がるのかまだ信じないのか」
マルコ4:40

ねらい

荒れる湖の舟の中で平安のうちに眠るイエス様と恐れおののく弟子たちの姿が対比される場面である。直面している事態は同じであるが、心の持ちよう一つでその事態はその人にとって良いものにも悪いものにもなる。イエス様を信じる時、どんな嵐も平安のうちに歩めることを伝えたい。

説教作成のポイント

夕方に漕ぎ出したとあるが、本来、夕方から夜にかけて船を出すことはない。困難な中でも船出が暗示させる。

風が波を激しくする。風は霊を現し、しばしば荒れる海は悪霊の仕業、死霊の仕業とされてきた。イエス様は自然の全てを支配される方。

豆知識

船のともは船の船尾を指す。船の中で最も揺れない場所は中央(重心がある場所)である。イエス様は最も安全な場所で寝ていたわけではない。船首にいた弟子と船尾にいる弟子は同じくらい揺れる場所にいた。むしろ安全な中央にいた弟子もいたが恐れたということは恐れが伝染したとも言える。

説教

疑心暗鬼という言葉を知っているかもしれません。疑いの心があると、なんでもないことでも怖いと思ったり、疑わしく感じることのたとえです。もともと、こういう話があります。中国である人が木を切るまさかりを無くしてしまいました。隣の息子が怪しいと思うようになり、すると息子の言葉や行いが全部疑わしく思えるようになりました。ところが、しばらくして近くの谷底で自分のまさかりを忘れてきたことに気づき、発見しました。それ以降、隣の息子の言動を見たり聞いたりしても怪しく感じることはなくなったということです。疑いの心をもっていると、いもしない暗闇の亡霊が目に浮かんでくるという諺になったのです。

今日はイエス様と弟子たちは群衆と分かれて、船に乗って反対側にいくことにしました。弟子たちの多くは元漁師でしたから、この天候なら大丈夫、湿度も風もすべてよし。順風満帆にいくはずでした。ところが、天候が悪くなり、波が舟にかぶって水浸しになり始めました。元漁師の彼らでさえ命の危機を感じます。波にもまれてひっくり返りそうになっているのです。そのような状況にあってもイエス様は舟の後ろの方で枕をして眠っておられました。慌てる弟子たちと安眠するイエス様。同じ状況なのに、違う様子です。

「イエス様、助けてください」と頼む弟子たちにイエス様は言われます。「なぜ怖がるのか、まだ信じないのか」と。イエス様が風と波を叱ると湖はすっかり穏やかになりました。イエス様は自然をも支配される方です。そして、私たちの人生の中に困難があってもイエス様を信じ頼るなら、もう鬼を見ることはありません。疑う必要はありません。疑いではなく、信じる心を持つ、イエス様に委ねればこの世界を平安のうちに歩めます。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□88番 「かみさまのあいは」

□改訂版 40番 「神様の愛は」

やってみよう

☆お祈りカードを作ろう

弟子たちに本当の信仰がない事をイエスさまはご存知でした。きっと弟子たちもドキッとしたことでしょう。礼拝の時や教会の中だけでなく、お祈りは、いつどこででも出来るのです。神さまに親しく話しかけるようなお祈りカードを作ってみましょう。

<用意するもの>

紙(好みの色、大きさで。小さな子どもが書く場合は、大きめの方が良い。)

□「神さま、うれしいことがありました。」「神さま、今悲しいきもちです。」「神さまありがとうございます。」「神さま、こわい事があります。」など、はじめの一言をいくつか用意し、その中から今の気持ちにピッタリなものを選ぶ。

□何を祈ってよいのかわからない時は、イエスさまが教えてくださった主の祈りがあります。結びにみんなで主の祈りを唱えても良いでしょう。