占星術の学者たちのキリスト訪問の出来事は、キリストによってもたらされる喜びが、パレスチナのユダヤ社会をはるかに超えて、世界中に伝えられることを示す物語です。
「占星術の学者たち」は、非キリスト教社会(キリストを知らない人たちが多く住む社会)に生きる人々を代表する存在です。「星の動き」という、一見するとキリスト教とは無関係と思われる現象のなかにも、キリストを指し示すしるしがあるという、意外性がポイントです。
黄金、乳香、没薬という3つの贈り物があることから、「占星術の学者たち」は3名だったと考えられますが、福音書は人数も彼らの名前も明らかにしていません。黄金は王のため、乳香は神のため、没薬は死すべき者のために贈られるもので、キリストは王のなかの王、神ご自身であり、私たちのために命を捨てることを暗示しています。6世紀の伝説によれば、3名はメルキオール、バルタザール、カスパールという名で、それぞれヨーロッパ、アフリカ、アジアを代表していると考えることもできます。その場合、肌の色は白、黒、茶色(または黄色)ということになり、もしかしたら私たちと同じ肌の色をした占星術の学者がいたのかもしれません。
皆さんは「星占い」を知っていますか?夜空の星の動きを見て、「この人は運が良い」とか「この人は運が悪い」とか占うのが「星占い」です。でも、「星占い」って本当に当たるんでしょうか?「星占い」の言う通りにすると運が良くなるなら、楽で良いんですけどね。
イエス様がお生まれになった頃、今から2000年も昔に、夜空の星の動きを詳しく調べる「占星術の学者たち」が世界中にいました。ある夜、「占星術の学者たち」がいつものように夜空を見ていると、今までに見たこともない明るく輝く星が現れました。「この不思議な星は、いったい何が起こることのしるしなんだろう?」。「占星術の学者たち」は、世界中の本を読んで調べました。すると、ユダヤに新しい王様が生まれることと、その新しい王様は世界中の人たちを救う「キリストさま」だということが分かりました。ヨーロッパの東の端に住む、白い肌の色の占星術の学者さんが、ラクダに荷物を積んで旅立ちました。肌の色が黒い、アフリカの占星術の学者さんも旅立ちました。そして、私たちと同じような肌の色をもつアジアの占星術の学者さんも、ラクダに乗って旅立ちました。三人はそれぞれ、明るく輝く不思議な星を目指して、ラクダを歩かせました。ユダヤの国が近くなった場所で、この三人は出会いました。一人はぴかぴかの黄金、一人は良い香りの乳香、もう一人は大切なお薬になる没薬を、まだ小さい「キリストさま」にプレゼントするために持っていました。
「ねえ君たち、すばらしいとは思わないか?遠い国に住んでいる私たちが、こうしてキリストさまに会うことが出来るなんて」と、白い肌の人が言いました。「まったくだ。神様はユダヤの人だけじゃなくて、世界中の人を助けるためにキリストさまをおつかわしになった」。黒い肌の人が言いました。「キリストさまは、ずっとずっと遠い国に住む私たちのためにお生まれになったんだ。宝物をプレゼントしなくちゃ」と、肌の色が黄色い人も言いました。
三人は、不思議な星がぴたりと止まった場所で、家の中にいたマリアさんと、まだ小さいイエスさまに会うことが出来ました。三人の「占星術の学者たち」は、プレゼントを渡すと大喜びでそれぞれの国に帰って、イエスさまがお生まれになったことを、人々に伝えたそうです。だからクリスマスのお話しは、世界中の人たちが知っているんですね。
* 讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
□21番 「とおくのひがしから」
□改訂78番 「とおくのひがしから」
星を目当てにイエスさまに出会った博士たちのように、わたしたちも神さまの示してくださる方へ歩む1年でありたいですね。この年の初めに、これからの一年間の自分の目標や希望することなどを話し合ってみましょう。
用意するもの…画用紙(白と黄)、クレヨンなど
①画用紙を半分に折り、それをもう一度半分に折る(黄色の画用紙があれば)
②線を書き、その線の通りに切る。
③この星の飾りにイエスさまとマリア様の絵を描いた紙を下げる。(そこに今日の聖句を書いてみるのも良い)