クリスマスの主日に続く降誕後主日に、このカナの結婚式の箇所が読まれるのは、わたしたちが先週に引き続いて喜びの季節にいることを表している。結婚式のお祝いは、わたしたちの日々の生活の中で、最大限の喜びの出来事であるからである。この喜びの時にあって、その見える部分にこだわるのではなく、喜びの本質に眼を向けるように、とのメッセージをイエスさまの発言から汲み取って展開する説教とした。
説教例では、すこし変わった切り口から展開したが、クリスマスの喜びと、結婚式の喜びを重ね合わせる形で、わたしたちの喜びを祝福して下さる神さまのゆたかな恵みに焦点をあてる説教が一般的であろう。
また、人生の苦労の意味が今はわからなくても、水をくみ続けることによって神さまがそれを驚くほど豊かに用いてくださるのだ、と展開することも出来る。
古代ユダヤの結婚式は1週間も続くことが普通であったという。ヨハネによる福音書では、イエスさまの7つの奇跡(しるし)が取り上げられているが、このぶどう酒の奇跡はそのうちの一番初めの奇跡である。
無意味な水が豊かなぶどう酒に変化するというこの箇所は、歴史的には教会において、洗礼から聖餐へと到る聖礼典と結びつけて語られることが多かった箇所である。
先週クリスマスの御祝いをしましたが、もう2014年も終わりですね。あと4つ寝たら、またみなさんが楽しみにしているお正月がやってきます。日本では昔からおせち料理をつくる習慣がありますから、みなさんのお家でも、おせち料理を食べる人もいるでしょう。おせち料理は、お重の中にいろんな種類の料理を詰めていきますから準備が大変です。全部を自分で作るとしたら、お家の方はだいぶん大変だろうと思います。
さて、今日はイエスさまが、お母さんであるマリアさんや他のお弟子さん達と一緒に結婚式にお呼ばれをした、というお話です。ユダヤの国の結婚式は1日では終わりません。場合によっては1週間もお祝いのパーティーが続くのだそうです。ですからそのために、花嫁さんのお家も花婿さんのお家も、たくさんのごちそうを準備して結婚式の用意をするわけです。1週間分のパーティーの準備をするなんて、考えただけでも大変な仕事です。
当然、イエスさまが出席された結婚式にも、たくさんのごちそうが準備されました。ところが、お祝い会の何日目のことであったかわかりませんが、途中で大変なことが起こりました。あんまりたくさんの人がお祝いにやってきたために、準備していた飲み物が、途中で足りなくなってしまったのです。これではせっかくのお祝い会が台無しになってしまいます。結婚式に招待した人たちからも、「あぁ、あの家は結婚式の準備もちゃんとできない、恥ずかしい家だなぁ」といって、笑いものになってしまうかもしれません。それで、花婿さんの家族も、花嫁さんの家族も、とっても困ってしまったのでした。
それを見ていたのはイエスさまのお母さまのマリアさんでした。マリアさんは、イエスさまに「お祝いの飲み物がなくなって、この家の人たちが困っていますよ」、とお話ししました。それを聞いたイエスさまは、何と言われたでしょうか。イエスさまは「わたしの時はまだ来ていません」と話されたそうです。
いったい何故イエスさまは、「では、わたしが助けてあげましょう」と言われなかったのでしょうか。イエスさまは、「お祝いの飲み物がなくなったことが、そんなに大変なことですか? わたしはそんなこと、ちっとも気にしていませんよ」、という気持ちだったのではないでしょうか。
わたしたちは、時々こまったことに出会います。でも、その困ったことということの多くは、周りの人たちからどんなふうに見られるか、という心配から来ていることが多いのです。飲み物があってもなくても、花嫁と花婿が神さまから祝福されて結婚するなら、それで充分なのです。わたしたちは、かっこいいところを見せたい、と思ってうわべを取り繕ったり、こんなところを見られたら恥ずかしいと思って都合の悪いことを隠したりします。けれどもイエスさまは、人からどう見られるかではなくて、神さまから見た時に恥ずかしくない生き方をしなさい、と教えてくださいます。ほんとうにそのように生きられるのならば、あなたはだんだん困ることもなくなってくるでしょう、と、そのように言われるのです。本当に大切な事を見極めながら、神さまに信頼して、神さまに喜ばれる生き方をしていきたいと思います。
・・・それで、結婚式がその後どうなったか知りたいですか? もちろんイエスさまは、最高の飲み物によって2人を助けて下さったに決まっているじゃないですか。
* 讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
□ 26番 「いざうたえ」
□ 改訂70番 「いざ歌え、いざ祝え」
今日の説教を話合いで復習しどの程度理解しているか確認する。
特に小さいこどもはちょっとした言葉の聞き違いからとんでもない間違った理解をしていることがあるので説教理解の確認は分級のはじめに欠かせない。
予め水瓶の代わりに透明ではない土瓶、または水筒を2個、用意しておく。
そのひとつには予め葡萄ジュースを入れて置く。
もうひとつは空のままで別に水差し、またはやかんに水を用意しておく
どちらもこどもに見えないところに置く。
イエスさまのお母さんがイエスさまに「葡萄酒が足りません」と言われました。
大切な結婚式のお祝いで葡萄酒が無くなったら困るよねー。
イエスさまは「私の時はまだきていません」と言われましたがお母さんが「この人が何か言いつけたらその通りにしてください」と言われましたね。きっとマリアさんはイエスさまが助けて下さることが分かっていたのでしょうね。イエスさまは「水瓶に水を一杯入れなさい」と言われましたね。
ここでひとつの入れ物と水差しをだして机に置く。
じゃあ誰かこの水を水瓶…これは水瓶じゃないけど、水瓶と思って、ここにこの水を入れてみて下さい。
聖書には書いてないけど、イエスさまはその後できっと神さまにお祈りをされたのじゃないかな、と思います。みんなも目をぎゅっと閉じてお祈りをしてみて下さい。
こどもが目を閉じている間に水の入った入れ物とジュースの入った入れ物を取り替える
ハイ、目を開けて、みんながお祈りをしたら水が葡萄酒になったかな?
と子供たちにコップを配りジュースを入れる。
みんなでジュースを飲みながら「みんなもイエスさまのように困っている人を助けてあげることができ
たら良いね」と話し合う。
・ イエス様は何のためにこの世界に来られたのでしょうか?困っている人のため?
・ ぶどう酒にはどんな意味があるのかな?教会でぶどう酒を使うことはありますか?