あなたは何を選び取るか、と問われた時の答えは人それぞれに異なるだろうが、多くの場合に、その答えはこの世の存在にとどまるものだろう。それは決して永遠のものではない。天の国のたとえの第2週であるが、宝であれ高価な真珠であれ、それが他の何ものにも代えがたいものとして取り上げられている。人生の選択の局面では知恵と信仰が必要であり、何よりいつも天の国が指し示されていることを伝えたい。
今週も複数の話となっているので絞り込むのが賢明である。自分にとって何が最善なのかを考える機会を幼児も小学生も持つことは少ないと思われるので、物語風に説教を構成するのも一案である。今週の聖句の箇所をふくらませるのもよし、旧約聖書の日課で「聞き分ける心」を選び取ったソロモンを例話にするのもいいだろう。マタイ6:33も参考になる。
「真珠」古代より宝石として珍重され、真珠が高価な宝石になったのは、インド、エジプト、ローマ帝国においてである。旧約聖書ではヨブ28:18に現出するがこれは赤サンゴを研磨したものと考えられている。新約聖書ではマタイ7:6,13:45-46、1テモテ2:9、黙示録17:4,18:12などに出てくる。真珠は天国からの祝福の隠喩として用いられ、マタイ福音書にその影響を見ることができる。初期キリスト教会では真珠の使用が禁じられ(1テモテ)、黙示録の「バビロンの大淫婦」が真珠で着飾っているのも同じ流れにあると思われる。『聖書大事典』参照。
秋の大運動会に向けて、ハジメ君の幼稚園では鼓笛隊の練習が始まりました。ハジメ君は一番目立つ大太鼓がいいと思い、「先生!僕は大太鼓をやりたい!」と手を挙げました。「いいですよ。じゃあハジメ君には大太鼓をしてもらいましょう」。「やったぁ!」。ハジメ君はうれしくてたまりませんでした。
さて、練習の時間になってハジメ君が大太鼓の前に立つと、「わぁ大きい!」。大太鼓はハジメ君の背丈ほどもありました。これを肩に担いでたたいて行進するのです。先生が大太鼓を肩に担がせてくれました。「わぁ重い!僕できるかな」。ハジメ君は急に不安になりました。その日から練習して少しずつ曲を覚えていかなければなりません。そして、みんなとリズムを合わせていかなければなりません。ところが、ハジメ君が気づいたのは、大太鼓も重いけど、大太鼓をたたくばちも腕が痛くなるほど重いのです。それでハジメ君の大太鼓は、いつもみんなより遅れて音が出てしまいます。ピアニカや鉄琴や小太鼓でみんなが音をそろえても、ハジメ君の大太鼓がそれをぶち壊しにしてしまいます。ハジメ君は悲しくなってきました。「なんで大太鼓なんかにしたんだろう。他のものにすればよかった」。
心が暗くなっていたある日、その日は幼稚園の礼拝の日でした。牧師先生が神さまの国についてお話をされました。「神さまの国はみんなが行きたい所で、ほかの所と比べ物にならないくらい、すばらしい所なんです。ところが、人間は目の前のいろいろなものに心を奪われてしまって、一番すばらしい神さまの国のことを忘れてしまうんです。イエス様はこんなことをおっしゃいました。真珠という宝石を売ったり買ったりして商売をしている人が、ある時とても見事な真珠を市場で見つけたんです。すると、この人は持っているものを全部売って、その見事な真珠を買い求めたとおっしゃるのです。他のものはなくてもいい、これさえあればいいと、この人は思ったのですね。神さまの国も、これさえあればいいのだ、といつも思っていなさいと聖書は語り続けてくれるのです。」というお話でした。礼拝が終わると、牧師先生がハジメ君の所にやってきて言いました。「ハジメ君、大太鼓がすばらしく見えたんだよね。みんなはハジメ君ならできると信じているんだよ。みんなよりも少し早くばちを動かし始めてごらん」。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
□1番 「みんなでたたえましょう」
□改訂8番 「みんなでたたえましょう」
□ThumaMina②21番(ThumaMinaは、つかわしてくださいという意味の賛美歌で日本基督教団出版の世界からの賛美歌集)。詳細(日本基督教団webサイト):http://bp-uccj.jp/publications/book/4818405272/
①教師は裏に書いた文字が透けない紙を、人数分用意する。
②お互いに見えないように、紙に自分の宝物が何かを書く。
③袋に紙を入れシャッフルする。中味を1人1枚引き、誰が書いたものかあてる。書いた人がわかったら、その宝物について説明してもらう。
※ゲーム性を高めたければ、紙に紐をホッチキスで止めて、並べ、紐を引っ張って、紙を決める。その時、紙が見えないように何か被せたり、衝立の下を通してもよい。話してみよう
①今一番大事にしているものは何かを書き出して発表してみよう。
②飽きてしまったものは何かを思い出して書いてみよう。
③今一番大事にしているものも、いつか飽きてしまうものはないか考えてみよう。
④いつまでも残る大事なものは何かを考えてみよう。