2013年11月24日 聖霊降臨後最終主日
ルカ21:5-19 イザヤ52:1-6 Ⅰコリント15:54-58

今週の聖句

「忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」
ルカによる福音書21:19

ねらい

・イエス様を信じて生きる生き方が決して楽なものではないことを知る。

・この世の終わりについて私たちにわかっていることはないが、もし世の終わりがやってきても決して滅びないものがあることを知る。

説教作成のヒント

・「髪の毛一本」(19節)とはごくわずかなもの、ほんの小さなもののたとえ。

・新共同訳聖書は19節を「命をかち取る」と訳しているが、ここで言われる命は永遠の命であり、神に与えられる結果として「得る」ことができるもの。

・「命」(19節)とは「魂」とも訳せる言葉で、もともと「下にとどまる」という意味。我慢ではなく踏みとどまる。

豆知識

・ルカによる福音書は紀元後80年ごろに執筆されたと考えられており、70年のエルサレム神殿崩壊、キリスト教弾圧などの実態が反映されたものとなっている(マルコでは親子兄弟のみだがルカでは親族や友人にもふれられる(12節)等)。

説教

(今年の社会の教科書を手に)みなさん、これは2013年の○年生の社会の教科書です、持っている人もいますね、では(できれば古いほどよい)この本は○○年前の○年生の社会の教科書です。少しずつ違いますが、大きく違うところがあります、それはどこでしょう?そうですね、3年前の東日本大震災のお話がのっていません。それは何故ですか?そうですね、まだ起こってないからですね。この2013年の社会の教科書には地震の話がたくさんのっていますが、過去に起こった出来事だから、こんなに詳しくのっているんですね。

このように、教科書や本にはその本を書いているときと、実際に起こった時と、時間差がありますが。また、本が書かれた時と、実際にそれを読んでいる人たちの間にも、時には少し、また時にはたくさんの時間差があります。

今日読んだルカによる福音書も、実際にイエス様がエルサレム神殿で話した時と、ルカによる福音書が書かれた時とで、時間差がありました。イエス様はご自分が十字架につけられる前や、復活して天に昇られる前に、何度も「私はまたあなたたちのもとに戻ってきますよ、みんなを迎えに来ますよ」と言われました。イエス様のお弟子さんたちはその言葉を信じて、早くイエス様に会いたいなぁと思いながら毎日過ごしていました。1ヶ月経ちました、イエス様はまだ来ません。半年たちました、イエス様はまだ来ません。一年たち、二年たち、10年たち、50年たち、それでもイエス様はまだ来ません。イエス様のお弟子さんたちはだんだん心配になってきました、イエス様は本当に来るんだろうか?不安になってきました。ルカによる福音書はそんなときに書かれました。

ルカによる福音書を書いた人は「世の終わりはすぐに来ない」というイエス様の言葉を思い出しました。イエス様が天に昇られてから大きな戦争がありました、イエス様を信じる人たちがいじめられたりもしました、ルカによる福音書を書いた人は大きな地震や恐ろしい現象が起こる前に「人々はあなたがたに手を下して迫害」されるというイエス様の言葉を思い出しました。そしてそんな大変なことが起こったとしても「どんな反対者でも、対抗も反論もできないような言葉と知恵を、わたしがあなたがたに授ける」という言葉や、「あなたがたの髪の毛一本も決してなくならない」「忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい」というイエス様の言葉もみんなに伝えようと思いました。神さまの言葉は決して滅びることがないのだから、神さまの言葉を信じるあなたがたも大丈夫、苦しくても、しっかりと生きなさい。

ルカによる福音書が書かれてから、もう千九百?十年経ちました、イエス様はまだ来ません。世界を巻き込む大きな戦争が二度もありました、何千・何万の人が亡くなる地震や津波がありました、私たちはいつイエス様が再び来られるのか知ることができません。でもルカによる福音書を書いた人は、イエス様の言葉を私たちにはっきりと伝えてくれます生きることに「おびえてはならない」「対抗も反論もできないような言葉と知恵を、わたしはあなたがたに授ける」「忍耐によって、あなたがたは命をかち取なさい」と。神さまの励ましに感謝して、今日も明日も、しっかりと生きていきましょう。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□120番 「どんなときでも」

□改訂129番 「どんな時でも」

やってみよう

☆野菜汁を作ろう

話してみよう

・この世の終わりって考えたことある?もし来るならどうやって終わると思う?

・2011年3月11日以前の教科書と以降の教科書を見比べてみて、どこが一緒でどこが違うが調べてみよう。

・生きることが大変と思ったことってある?