イエス様は私たちに、「わたしに従いなさい」と言われます。じつは、この言葉は、私たちを慰める言葉なのです。なぜなら、イエス様は私たちに、こう話しかけてくださるからです。「安心しなさい。必ず道がある。あなたは自分の人生を、一人で歩いているのではない。たとえ一人で苦しんでいるように思うときでも、必ず神さまがあなたと一緒に歩いてくださっている」と。
河合隼雄氏は、「問題を解決するためのよい方法というのは、世の中にはない」と言っています。「よい方法」というのは脇道なのです。しかし、脇道にそれるのではなく、まっすぐな道を行くことが大切なのです。なぜなら、まっすぐ歩かないと、問題は解決しないからです。イエス様はこう言われるのです。「このまっすぐな道を行きなさい。ただし、私も一緒に行きますから」と。
通常、「国」と訳されるギリシア語のバシレイアは、「王として支配する」という動詞から作られた名詞であり、「支配」を意味します。ですから、「神の国」は「神の支配」です。神はこの世界を支配されており、被造物を生かす神の働きが「神の支配」なのです。
確かに、今を生きることは、決して楽なことではありません。けれども、いつまでも過去の生き方に縛られていては、今を生きることはできません。だからイエス様は、「死んでいる者たちに、自分たちの死者を葬らせなさい」と言われたのです。過去に別れを告げて、未来に向かって進んで行くとき、私たちの命は輝くのではないでしょうか。
今日の福音書には、3人の人物が登場します。一番目の人は、イエス様にこう言います。「あなたがおいでになる所なら、どこへでも従って参ります」と。イエス様は答えて、言われました。「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子〔私〕には枕する所もない」。
この世界には、イエス様の留まる家がありません。しかし、一番目の人には家があり、家族があるのです。ところが彼は、家族と向き合い、一緒に生きるのがつらいので、家から逃げ出す言い訳に、イエス様を利用しているのだ、と思います。だから、イエス様は彼に、「わたしに従いなさい」と言われなかったのです。
そしてイエス様は別の人に、「わたしに従いなさい」と言われました。しかし、二番目の人は、イエス様に答えて、言いました。「主よ、まず、父を葬りに行かせてください」。そこでイエス様は彼に、こう言われました。「死んでいる者たちに、自分たちの死者を葬らせなさい。あなたは行って、神の国を言い広めなさい」。
二番目の人は、お父さんとけんかしていたのかもしれません。お父さんと仲直りする前に、お父さんが亡くなってしまいました。だから彼は、お葬式をして、天国にいるお父さんと仲直りするまでは、イエス様の命令に従うことができないのです。しかし、過去を振り返るだけではなくて、未来に向かって進んでいくとき、私たちの人生は輝くのではないでしょうか。
三番目の人は、イエス様にこう言いました。「主よ、あなたに従います。しかし、まず家族にいとまごいに行かせてください」。イエス様は彼に答えて、言われました。「鋤に手をかけてから後ろを顧みる者は、神の国にふさわしくない」。
三番目の人は、家族を愛していたために、イエス様の命令に従うことができないのです。しかし、イエス様に従う人々は、家族を自分のものだと考えることから自由になり、かえって家族一人ひとりをほんとうに愛することができるようになるのです。
「家族と向き合い、一緒に生きることは、どういうことか」。「なぜ私は、お父さんを嫌いなのか」。「なぜ家族を自分のものだと考えることから、私は自由になれないのか」。このような問題と向き合うのは、大変苦しいことです。しかし、逃げ出さないで、問題と向き合わないと、問題は解決しません。
イエス様は私たちに、「わたしに従いなさい」と言われます。じつは、この言葉は、私たちを慰める言葉なのです。私たちは、さまざまな問題を抱えて、思い悩みます。そのような私たちに、イエス様は話しかけてくださるのです。「安心しなさい。必ず道がある。あなたは自分の人生を、一人で歩いているのではない。たとえ一人で苦しんでいるように思うときでも、必ず神さまがあなたと一緒に歩いてくださっている」と。
私たちが、自分の人生の道を歩いていくことができるのは、神さまの働きによるのです。イエス様が、私たちと一緒に歩いてくださっているから、安心なのです。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
□36番 「しゅイエスのみちを」
□120番(改訂版) 「主イェスの道を」
目を閉じて、自分がひどく痛い思いをしているとき、「だいじょうぶ、痛くないよ」と言われたら、どんな気持ちになるかを、味わってみてください。また、どんな言葉をかけられたらうれしいか、探してみてください。
A.前週に十字架を作った場合は、色塗りをしましょう。乾かす間、下記Bのリスト作りはいかがでしょうか。
塗った絵の具がしっかり乾いたら、ラッカー仕上げをします。その際は必ず換気の良い場所で、大人が行ってください。
B.神さまを信じて毎日を過ごすことがどんなにステキなことか、あなたの大切なひとにもお知らせできたらいいですね!
教会に誘いたい3人(ともだち、家族・・)のリストを作り、持ち帰って見えるところに貼りましょう。
そしてその大切な方たちが神さまと出会えますように、とお祈りしましょう。
その①
・イエス様は私たちに、「わたしに従いなさい」と言われます。どうすれば、イエス様に従うことができるでしょうか。
・私たちが苦しいとき、神さまはどこにおられるのでしょうか。
・自分がひどく痛い思いをしているとき、どんな言葉をかけられたらうれしいか、話し合いましょう。
その②
学校の友達や近所の友達に、教会や神様のことを話したことはありますか?神様を歓迎するということはどういうことでしょうか?どうすれば、私たちは神様を歓迎する準備が出来るとおもいますか?