・「敵を愛しなさい」というイエスさまの教えから、神さまの愛について、また私たちが実際神様から受けている愛について学ぶ。
・この箇所の段落は、イエスさまが「敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい」という言葉から始まっている。つまりこの部分の教えの要点は、神さまが悪人にも善人にも憐れみ深く、すべての人を愛してくださるように、私たちも自分を愛してくれる人だけを愛するのではなく、イエスさまに倣ってもっと広くて自由な愛へ私たちを招くのである。
・自分が好きな人は大事にし、自分が嫌いな人は憎むような、多くの場合の「人間の愛」と、イエスさまを通して表れる「神の愛」の違いについて考えて見る。
・イエスさまを通して一人ひとりが受ける愛はどのような愛なのか、また私たちはその愛を受けるにふさわしい、完全な一人なのかふり返ってみる。
・ここでのイエスさまの教えと、この後のイエスさまの受難と十字架の死との関連性を考えて見る。
・この箇所は、ルカによる福音書ではイエスさまが弟子たちと一緒に山から降りて、おびただしい民衆に対して教えられた場面の一つ、マタイによる福音書では「山上の説教」として記述されている中の一つの教えである。
・「敵への愛」という概念は、受けた分報いるような昔からの交換原則による愛、自分たちの仲間同士での愛ではなく、それらを超えている愛である。「敵への愛」という表現は、旧約とユダヤ教の教えの中からも似ている部分が見られるが、敵をも愛するというイエスさまの教えが実現されることで神の国も実現するという教えは、まったく新しいイエスさまの教えである。