TNG The Next Generation

2013年6月2日 聖霊降臨後第2主日

福音書 ルカ6:27~36
第一の日課 列王上8:41~43
第二の日課 ガラ1:1~10

今週の聖句

「あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。」
ルカによる福音書6:36

ねらい

・「敵を愛しなさい」というイエスさまの教えから、神さまの愛について、また私たちが実際神様から受けている愛について学ぶ。

説教作成のポイント

・この箇所の段落は、イエスさまが「敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい」という言葉から始まっている。つまりこの部分の教えの要点は、神さまが悪人にも善人にも憐れみ深く、すべての人を愛してくださるように、私たちも自分を愛してくれる人だけを愛するのではなく、イエスさまに倣ってもっと広くて自由な愛へ私たちを招くのである。

・自分が好きな人は大事にし、自分が嫌いな人は憎むような、多くの場合の「人間の愛」と、イエスさまを通して表れる「神の愛」の違いについて考えて見る。

・イエスさまを通して一人ひとりが受ける愛はどのような愛なのか、また私たちはその愛を受けるにふさわしい、完全な一人なのかふり返ってみる。

・ここでのイエスさまの教えと、この後のイエスさまの受難と十字架の死との関連性を考えて見る。

豆知識

・この箇所は、ルカによる福音書ではイエスさまが弟子たちと一緒に山から降りて、おびただしい民衆に対して教えられた場面の一つ、マタイによる福音書では「山上の説教」として記述されている中の一つの教えである。

・「敵への愛」という概念は、受けた分報いるような昔からの交換原則による愛、自分たちの仲間同士での愛ではなく、それらを超えている愛である。「敵への愛」という表現は、旧約とユダヤ教の教えの中からも似ている部分が見られるが、敵をも愛するというイエスさまの教えが実現されることで神の国も実現するという教えは、まったく新しいイエスさまの教えである。

説教

私たちが住んでいるこの地球に無くてはならないものがたくさんあります。空気、水、土、植物…。地球の生き物が生きるために絶対必要ないろんなものの中で、今日も私たちに日にちが変わって朝が来たことを知らせてくれるもの、植物たちが育つために、緑になるために無くてはならないもの、電気など人工的な光ではなく私たちに自然の光を届けてくれるもの、しかも私たちが知っている限り、一番明るくて大きなエネルギーを届けてくれるもの、それは何ですか?

これだけ聞いたら、だいたい何について言っているのか分かりますね?そうです。太陽です。太陽から出て来る日差しはすごいと思います。太陽はいくつもある訳ではなくただ一つだけなのに、地球上にいる数えきれないほどのたくさんの生物がこの太陽からのエネルギーと光を受けています。太陽に向かって隠れることさえなければどんな植物も、どんな動物も、もちろん人も、太陽の恵みを受けることができるのです。まさに太陽は神さまのようです。

実はイエスさまもこれに似たようなお話しを、昔々多くの人々に話されていました。神さまはすごい!神さまはただひとりだけど、みんなを憐れんでくださる!その中には善い人もいれば悪い人もいて、神さまに感謝する人もいれば恩を知らない人もいるけれども、神さまは悪い人も、恩を知らない人をも憐れんでくださると教えていました。

私たちは違いますね。私たちはだいたい自分に良いことをしてくれたり、かわいがってくれたりする人を自分も大事にして、自分とあまり合わないとか、迷惑だと思われたりする人は嫌います。もちろんそうでない人もたまにいますけど…。

このような神さまのすばらしい愛は、神さまの独り子であるイエスさまをとおして人々に表わされました。イエスさまは後に、ご自分を憎む人、いじめる人、苦しめる人たちに向かって、同じく憎んだりやり返したりせず黙々とその苦しみを死ぬまで受けたのです。それは父なる神さまが彼らを赦すためでした。それでどんな悪人も罪人も、実は私たちもイエスさまによって神様に赦され、憐れみを受けることが可能になったのです。

だから、イエスさまは多くの人々に向かって教えられました。「あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者になりなさい」。誰でも神さまの赦しと憐れみは受けています。それを知っている人として、ただ自分を愛してくれる人だけではなく、たとえ敵であっても愛してあげなさいと。それがイエスさまをとおして私たちにも届いている本当の愛なのです。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□56番 「かみよこのひ」

□31番(改訂版) 「主よ、おいでください」

やってみよう

☆世のため人のためカードをつくろう

<用意するもの>

トランプ位の大きさの紙(人数分)

①カードにどんなことをしてもらうと嬉しいか考えて1人1枚書いてみましょう。

②カードを裏向けにして、1人ずつ順番に1枚カードを取ってもらい、書いてあることを発表する。

③自分がひいたカードに書いてあることをこの1週間のうちに実行してみましょう。みんなの書いたカードを大きな画用紙などに貼っても良いですね。

神さまは、何もできない私たちに、聖霊の力を与えてくださいました。この聖霊の力によって、何もできない私をできる者へと変えてくださるのです。

話してみよう

・今日の聖書の中には、イエス様が「○○しなさい」という言葉がたくさん出てきますが、どんな事が書いてあるか聖書の中から探してみましょう。

・さて、みんなはイエス様の「○○しなさい」がいくつできるかな?(本当にはできない自分を自覚する。)

・憐れみ深い神さまとは、どんなお方か考えてみましょう。

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