・イエスさまがご自身の死と復活を予告された後に、この主の変容の出来事があったことはとても大切なことである。つまりまさに主のご受難の中に隠された栄光があることを示している。それを象徴しているのが「最期」とう言葉であり、もともとの意味は「旅立・出発」である。主は、私たちに赦しと救いを与えてくださるために、まさに出発をされようとしていることを、今日のみことばから聴きたい。
・弟子たちは「ひどく眠かったが、じっとこらえていると」と書かれている。この「眠たさ」は、私たちにとってさまざまな心配や悩みごとであり、主から私たちを離れさせようとする誘惑でもある。主は「じっとこらえている」、「じっと目覚め続けている」ように私たちに求められる。「これに聞け」とあるように、イエスさまのみことばに聞き続ける者でありたい。
・マルコによる福音書では、並行箇所で「六日の後」となっているのは、ギリシャ・ローマ的な日の数え方である。このルカによる福音書では、「八日ほどたったとき」となっているのは、ユダヤ的な日の数え方、つまり「日没から日没まで」という数え方にしたがっているものと思われる。
・「最期」をあらわすギリシャ語は「エキソドス」で、旅立ち(出発)を意味するが、よりよい状態への脱出であり解放であって、出エジプトを指して用いられてきた言葉でもある。主は「新しい出エジプト」を導かれる。
イエスさまは、ご自身が長老や祭司長、律法学者たちによって多くの苦しみを受けて殺され、三日目に復活することを、ひそかに弟子たちに予告をされました。そのお話しをされてからおよそ一週間後に、イエスさまは弟子たちの中から、ペトロ、ヨハネ、ヤコブの三人だけを連れて、お祈りをするために山に登られたのです。日本とは違って、昼間はとても暑いのです。おそらく日が沈んでから山に登られたのでしょう。「イエスは祈るために山に行き、神に祈って夜を明かされた」(ルカ6:12)とありますように、イエスさまはたいせつな時に、お祈りをされるために山に登られました。イエスさまがお祈りをされるのは、父なる神さまとお話しをされるためでした。神さまのお考えをしずかにお聞きになるためでした。
イエスさまがお祈りをしておられるうちに、イエスさまのお顔の様子が変わり、着ておられる服が真っ白に輝きました。聖書のほかのところでは、イエスさまのお顔は太陽のように輝いたと書かれています。夜の暗闇の中に輝きました。イエスさまは、ご自分が父なる神さまの御子であることを、その輝く光によって弟子たちにお示しになられたのです。
するとそこに、モーセとエリヤの二人がイエスさまと語り合っていました。モーセはエジプトで奴隷生活をしていたイスラエルの民を救い出し、神さまから「十戒」を授けられた人です。またエリヤは、神さまのお言葉を伝える預言者の代表ともいうべき人でした。モーセとエリヤと語り合っておられたことは、イエスさまこそ、聖書に書き記されていた「救い主」であることをあらわしているのです。
イエスさまはその二人に、ご自身がエルサレムで遂げようとしておられる「最期」について話しておられました。「最期」とは、ふつう死ぬ時のことを言いますが、この言葉にはもう一つの大切な意味があるのです。それはもともとの言葉で、「旅立ち・出発」を表しています。これからイエスさまは、エルサレムで十字架におかかりになるために向かわれます。しかし、それは、私たちすべての人の身代りとして死なれるためでした。私たちすべての人に赦しと救いを与えてくださるための出発でした。そして父なる神さまのもとに行かれる旅立ちです。イエスさまこそ、父なる神さまのお考えをご自分の使命として、神さまに忠実に従われたのです。
「ペトロと仲間は、ひどく眠かったが、しっとこらえていると」と書かれています。三人の弟子たちは、とても眠くて、眠くて、今にも両方のまぶたが閉じようとしていましたが、何とかこらえていました。この「眠たさ」とは、私たちにとって何を示しているのでしょうか。それは、私たちの毎日の生活の中で、さまざまな心配や悩み事にわずらわされている姿なのでしょう。そのようなときに、弟子たちは雲の中から、神さまのお声が聞きました。「これはわたしの子、選ばれた者、これに聞け」。神さまは私たちに、イエスさまに聞き従いなさいと言われるのです。毎週日曜日の礼拝で、お友だちと一緒に、イエスさまのお言葉を聞き続けてまいりましょう。
□1番 「みんなでたたえましょう」
□改訂版8番 「みんなでたたえましょう」
ペープサートで、登場人物をつくります。
表と裏に絵が描けるように。
イエスさま 表:普通の姿 裏:真っ白に輝く姿
ペトロ 表:寝ている 裏:驚いている
ヤコブ 表:寝ている 裏:驚いている
ヨハネ 表:寝ている 裏:驚いている
モーセ 表:笑顔 裏:十戒を持った姿
エリヤ 表:笑顔 裏:預言の書を持った姿
ペープサートをつかって、その場を再現してみましょう。
ペトロさんが言った言葉はなにだったでしょうか。
また、最後に神様が告げられた言葉へと話しがつながるようにしましょう。
・なぜイエス様は白く輝かれたのだろう
・モーセとエリヤさんと何を話していたのだろう。
・お弟子さんたちはどうして寝ていたのだろう。
・ルカによる福音書には神様の声は何回聞こえてくるだろう。それはいつ?どこにある?