・聖書は「終末」を語る。いわゆる「世の終わり」を表す。マルコ福音書が書かれた時代、この終末思想は流行していた。既存の体制に不遇、不十分な扱いを受けていた人々の内に少なからず浸透した。既存の体制に代わり新しい天地、新しい支配者が到来するという教えだ。今日、使徒信条、ニケア信条で「世の終わりを信じます」と唱えているように、私たちの教会でもその教えは存在する。だが終末思想が声高に教会の中で上がることは少ないであろう。様々な伝統的宗教から終末思想の一部の内容を引用し、拡大解釈し、破壊的な活動に至った宗教団体を思い出すからだろうか。何か終末思想に胡散臭いものを感じるからだろうか。一方で、今日「終末」という言葉には「個々人の命の終わり」という一般的な意味が付与されている。「終末期医療」（ターミナル・ケア）など。本来の終末思想の観点を踏まえつつ、今日的な意味からの説教が望ましいかと思う。身近な者の命の終わりという点はどうか。そして「地上の命の終わり」は「新しい命」に至る時という、キリスト教的な意味合いも踏まえたい。「ターミナル」とは連結点の意味合い。死は新しい命に生きる時と覚えたい。イエス様の言葉は人間を動かすだけではなく、自然をも支配され、天地を創造された神さまの言葉と同じ力をもつことを覚えたい。
（説教は13：28-31）
・イエスはイチジクの木を引き合いに出し話す。季節感や植物の兆候を用いて終末を語る。
・この説教の時節は秋の終わり、冬の入口。身近な植物の冬支度の様子を語っても良い。
・イエスさまの愛の言葉に包まれて、生きる者も召された者も憩うことを語りたい。
・イエスがこの話を語った時期は、春先（過越祭）近くであったと考えられる。
・イエスは春に、夏の植物であるイチジクの話をする。人生の目標を意識するということ。
・次の14章では、十字架に備えたイエスの裁判が始まる。イエス自身も死を意識。
もうすぐ、寒い冬がやってきます。近くでは植物たちが冬の用意をしていると思います。冬が終わったら、春になります。イエスさまは今日のお話を春にしたそうです。ユダヤの春は雨が降り、寒かったようです。けれどイエスさまは今日、冬ではなく、夏のお話をします。イチジクのことです。春は葉も堅く実も実らせないイチジクも、夏が来れば葉と実を付けます。今は嫌なこと、大変なことがあっても、やがて葉を付け、実を実らせる時代が来ます。
私たちのいのちは、何時かは終わる時がきます。なかなか自分の命の終わりということは難しいし怖いし悲しいけれど、身近な家族とかペットのお葬式に出たことがある人がいるかもしれません。大好きな家族やペットが先に死んでしまうと悲しいよね。その人やペットたちはどこへ行ったのかな。家族だったらお墓の中かもしれないし、ペットだったら庭の木の下かもしれないよね。でも、先に死んだ家族やペットの心は、天国で神さまの横にいて、過ごく幸せな時を過ごしているのだよ。そして私たちもいつの日か、そういう日が来るのよ。
生きていると、嬉しいこともあるけれども、嫌なこともあります。学校でもそういうことがあるかもしれません。でも今日の聖書の言葉でイエスさまは「私の言葉は決して滅びない（31節）」とお話し下さいます。みんなはイエスさまのいろんな言葉を知っていると思いますけど、イエスさまの愛の言葉を胸に入れて、これからの日々を過ごして欲しいと思います。
＊讃美歌は”こどもさんびか”（日キ版）より
□３６番 「しゅイエスのみちを」
□改訂版８５番 「イエスの担った十字架は」
・来週から、教会では新しい1年が始まります。その前に教会をみんなできれいにしましょう。
こどもたちに取り組めるお仕事を準備します。
①みんなは、目を閉じます。
②リーダーは、「さんはい」と大きな声で合図をしてから、手を叩きます。（1回～ランダムに好きな数だけ）
③こどもは、いくつ叩いたかを当てます。（それぞれ紙に答えを書いても、一人ずつやって良い）
※ルール：絶対しゃべらない。叩く人は、はっきりと同じテンポで。
「さて、どのくらい当たったでしょう。注意深く聞かないと難しいですね。神さまの言葉も同じです。イエス様が戸口に近づいていると悟るものになりましょう。」
□今日は、教会のカレンダーでいうと1年の最後の日曜日になります。みんなのお家では、大晦日というとどんな事をしますか。
□教会での1年を振り返り、どんな事があったか話してみましょう。楽しかったこと、悲しかったこと。
□今日の聖書箇所を読みます。
□この世に終わりのないものは何だろうか。