TNG The Next Generation

2012年11月4日 聖霊降臨後第23主日

福音書 マルコ11:12-25
第一の日課 ヘブライ6:1-6
第二の日課 出エジプト15:22-26

今週の聖句

「祈り求めるものはすべて既に得られたと信じなさい。」
マルコによる福音書11:24

ねらい

・「イチジクの木への呪いとその教訓11:12-14、20-25」の間に、「イエスによる神殿清め11:15-24」が挟み込まれている箇所である。双方共に聴衆は別となるが、イエスの要点は簡明にして簡潔。それは「祈り」である。更に掘り下げれば、「イチジク~」の場合はイチジクに重ね合わせて「祈る際の心構え」を語る。「神殿清め」の場合は、心構えが直接対象者に語られる。それぞれの状況に併せて、これらの箇所を選ぶことがよろしいかと思う。また、伝統的な教会暦に従えばこの日は「全聖徒主日礼拝」が守られる日でもある。信仰の諸先輩方のご遺影と共に礼拝を守る教会もあろう。「祈りによって先に生き、祈りによって召された」教会の先達に続くものとして、教会を守り、支える意義を心新たに抱きたい。ファリサイ派の人々の思いに反し、人々はイエス様のもとに集まってきた。本当に正しいもの、光あるところにこそ、人は集まることを覚えたい。

説教作成のヒント

・イチジクの木を呪い、枯らすイエスの姿に違和感を覚えるかもしれない。

・「時期外れであり、外見のみ立派」というイチジクのようではならない、ということ。

・祈りとは形式ではない。心の中にある思い、言葉を申し述べることが祈りである。片手の萎えた人がいた-実際は「萎えた(枯れた)手を持つ人がいた」

豆知識

・イチジクは果物。神は楽園追放のアダムとイブに、初めの着物としてイチジクの葉を与えた。

・別の箇所でイエスは、イチジクの実の世話をする農夫の話をする(ルカ13章)。

・イエスは、イチジクが嫌いだったということはない。7-8節に町の名前が出ているが、これはガリラヤを取り巻く地域が時計の反対まわりに列挙されている。イエス様の死後、成立する教会の普遍的な拡がりを既に象徴していると考える。

説教

イエスさまはある日、ベタニアという名前の村を通りかかりました。そのベタニア村はどういう村だったか。ご病気でお仕事が出来なくなって、大きな町から追い出された人。お金がなくて、家を追い出された人。悲しくて、苦しんでいる人たちがたくさん住んでいました。イエスさまはその人たちを見て、かわいそうだな、苦しいだろうな、と思いました。そんな時思いだしたのは、大きな町に住むお金持ちや偉い人たちの様子でした。毎日がパーティ、毎日がご馳走。でも、お金持ちや偉い人たちは、自分たちだけでお金やご馳走を食べて、あとは何もしませんでした。これは酷いな、なんとかしなくちゃな、とイエスさまは思います。

そんなことを考えながら歩いていると、イエスさまは一本のイチジクの木を見付けます。葉っぱが立派に茂っています。実もあるかもしれません。お腹が空いたイエスさまは、そのイチジクの木に実を探そうとします。イチジクは甘くて、不思議な形をした果物です。ユダヤの人たちはこのイチジクの果物が大好きでした。でもその時はイチジクに実が一個も成っていませんでした。イエスさまは悲しくなって、あと、さっきお考えになられていたことを思い出しました。葉っぱは立派でも、木も大きく育っていても、肝心かなめの実が一個もなっていない。大きな町に住む、お金持ちや偉い人と一緒だ。お金持ちや偉い人は、綺麗な洋服を着て毎日がパーティ、おご馳走。でも、中身は空っぽだ。悲しいなと思ったのです。

そこからイエスさまは、お祈りのことをお弟子さんたちや偉い人たちにお話ししました。外見とか、いつも使っている言葉とか、それだけじゃなくて、心からお祈りする心持ちが大切なんだよと。さぁ。皆さんの中にもお祈りの気持ち、お祈りの言葉があると思います。家族のこと、大事なペットのこと。学校のお友達のこと、テストや試験のこと。心配なことがもしもあるときには、お祈りをしてください。お祈りの言葉はなんでもいいのです。神さま、これこれこういう心配なことがあります。助けてくださいと。お祈りを大切にして下さい。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□90番 「うたいましょう」

□改訂版126番 「うたいましょう」

やってみよう

☆祈りたい事を考え、その事が神さまからすでに与えられていると信じる事の大切さを感じる。

〈用意するもの〉

・はがき大くらいの画用紙…1人1枚ずつ

・えんぴつ、色えんぴつ

①今、自分が神さまに願いたい事をカードに1つ書く。

祈りたい事…自分のために神さまの力を与えてほしい事や誰かのために神さまの支えがほしい事など。神さまに伝えたい願いをなんでもいいので、それぞれ考えて書いてみよう。

②書いたらカードを裏にして一箇所にまとめる。

③トランプを切るように、シャッフルし、上から1枚ずつ皆に配る(裏のまま)

④配られたカードの白い面(裏)に「神はそれを与えて下さいました」と書いてみよう。

⑤自分の持っているカードの願いの文を1人ずつ読み、最後に「神はそれを与えて下さいました」という言葉を言ってみよう。

はなそう

□お祈りのカードの文を他の人に読んでもらい、「神はそれを与えて下さいました」と告げられた時、どんな気持ちがしたかな?

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