TNG The Next Generation

2012年7月22日 聖霊降臨後第8主日

福音書 マルコ4:35-41
第一の日課 ヨブ38:1-11
第二の日課 Ⅱコリント7:1-16

今週の聖句

「いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか。」
マルコによる福音書4:41

ねらい

・イエス様の言葉は人間を動かすだけではなく、自然をも支配され、天地を創造された神さまの言葉と同じ力をもつことを覚えたい。

・信頼とは、恐怖心や不安を乗り越える力であり、イエス様に従う時、わたしたちの恐れも吹き飛ばしてくださることを覚えたい。

説教作成のヒント

・向こう岸に渡られた理由は ①イエス様は群衆から少しの間、離れたかった。 ②イエス様は湖の向こう岸にも伝道しようとなさった。ことと考えられる。

・風を叱るイエス様の姿は悪霊を追い出されている姿に似ている。海や湖は人にとって危険に満ちた場所で、しばしば悪霊の住みかとも考えられていたようであり、わたしたち一人一人が危険に陥った時にイエス様は声を叱咤激励してくださる。

豆知識

・「恐れ」には「畏(おそ)れかしこむ」の意味もあります。ギリシア語では「恐れ」も「畏れ」も「フォボス phobos」で区別がありません。

・「いったい、この方はどなたなのだろう」という疑問の一つの答えがペトロが「あなたはメシア(キリスト)です」(8:29)という信仰告白をすることになる。

・「デカポリス」とはギリシア語で「10の町」の意味。

・ガリラヤ湖は、大きさとしては茨城県の霞ヶ浦よりやや小さい湖。すり鉢状の地形になっていて、突然嵐が起こることがあったようである。

説教

木村裕一の本で「あらしのよるに」という物語があります。雨が轟々と叩きつける嵐の夜、白いヤギはやっとの思いで丘を滑り降り、壊れかけた小さな小屋にもぐりこみます。小屋の中は真っ暗で何も見えません。ガタン!と音がして、脚をケガしたオオカミが小屋に入ってきますが、暗闇で何も見えず、風邪で鼻も利かず、お互いの姿も見えない中、ヤギは相手をヤギと、オオカミは相手をオオカミだと思い込んでしまいます。勘違いしたまま二匹は話を続けていきます。たとえば、フカフカ谷のえさ、草がおいしいとヤギが言うと、オオカミもそこで草を食べているヤギがおいしそうだと相づちをうちます。小さい頃のこと、母親の話などを通して親しみが湧いてきます。その時、突然雷の大きな音がして驚いた二匹は抱き合って寄り添います。ヤギは「あっ、しつれい。どうもわたし、この音によわくて」と言うと、オオカミも「ふうー、おいらもなんですよう。ハアー、びっくりしやしたね」と答えます。「なんか、わたしたちって、にてるとおもいません?」。このようにしてやがて不思議な友情が芽生えていきます。嵐が弱くなると二匹は再会の約束をして分かれます。明日のお昼にこの小屋の前で「あらしのよるに」という言葉を合言葉にして会って、一緒にお昼ご飯を食べようと。この後、それぞれヤギとオオカミと分かった二匹には試練があります。友情を取るか、仲間を取るか。オオカミの仲間、ヤギの仲間から理解されない困難や記憶を忘れてしまう困難などもあります。しかし、最後にはただ生きる存在として互いを受けとめあって生きていくそんな友情が描かれています。あのあらしのよるの出会い、困難を共に歩んできた、励ましあってきたということが彼らの心の中には深く深く大切なこととして刻み込まれていたのです。

今日、イエス様と弟子たちは舟にのって反対側へと行きます。舟が進んでいきますが、途中で激しい突風が吹き、波が入って来て溺れそうになってしまいます。もうダメだ、弟子たちは思いました。舟の中で寝ているイエス様に言います。「わたしたちが溺れてもいいのですか」と。イエスさまは起きて一言、波に言います。「黙れ、静まれ」と。すると波は静まりました。イエス様の言葉は神さまの言葉と同じです。自然もイエス様の言葉を聞くほど力がある言葉です。わたしたちを安心させるだけではなく、大きな力をもっているのです。

そして、弟子たちに「なぜ恐れるのか、まだ信じないのか」と。イエス様を信じるとき、どんな波も恐れなくて大丈夫です。イエス様を信頼すること、それが恐れから解放されていく方法です。嵐の中でもわたしたちを助け、受けとめてくださるイエス様を信頼して歩んでいきましょう。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□7番 「かみはうちゅうのつくりぬし」

□改訂版4番 「つくりぬしをさんびします」

やってみよう

☆「イエス様が言いましたゲーム」

輪になり、リーダーが真ん中に立ちます。

リーダー「風や湖さえも従うイエス様が、みんなに命令します。“イエス様が言いました”と言ったら、皆さんも従ってくださいね。」

命令ゲームの要領です。

(例)リーダー「イエス様が言いました。手を上げてください。」

~みんなは動作する~

リーダー「はい、おろして下さい。」・・・・・「あれっ?今、手をおろした人は誰ですか?“イエス様が言いました。”と言ってませんよ!」

という具合にゲームを楽しんでください。

はなそう

□信頼するということは簡単なことでしょうか?特に大変なことが起こりそうな時、自分の思い通りではないように感じる時に信頼できるでしょうか?

□舟が沈みそうになっていましたが、わたしたち一人一人を舟だと考えると、どんな時に沈みそうになってしまうでしょうか?

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