2012年7月15日 聖霊降臨後第7主日
マルコ4:26-34 エゼキエル17:22-24 Ⅱコリント6:1-16

今週の聖句

「神の国を何にたとえようか。それは、からし種のようなものである。」
マルコによる福音書4:30-31

ねらい

・私たちのただ中で、また私たちの間で働いておられる主のご支配とお働きは、たとえ初めは小さいように見えても、大きな結果を生み出さずにはいない。その主のみわざに、ただひたすら信頼する者でありたい。

説教作成のヒント

・神さまのご支配とみわざは、人の知らぬうちに成長し、やがて豊かに実を結ぶようになる。それは人の考え計ることによってなされるのでは決してない。私たちは、ただひたすら、種の中の力に、主のみわざに信頼をしていく者でありたい。

・パウロが、またイザヤやエレミヤが、母の胎にある時から、神さまが自分を知っていてくださったと証しをしている。それは神さまに愛されている喜びの証しである。メッセージを語る私たちもそのような喜びのうちに、子どもたちに証しをさせていただきたい。

豆知識

・「からし種」。香辛料のからしは、アブラナ科のからしなの種子を粉末にしたものである。からしなには多くの種類があるが、聖書でいわれる「からし種」は、くろがらしの種子だと考えられる。くろがらしの種子は、日本のからしなと比べて、非常に小さいけれども、発芽するとひじょうにはやく成長して、2~3m程の高さにまで達する。あぶらなと同じように、黄色の十字の花をつけ、実は2~3cmのさやになり、その中にとても小さな種子が入っている。くろがらしは1年草で、木ではないけれども、秋には成長して茎が木のように硬くなり、茎は小鳥の重さに耐えるほどに強くなる。マタイ17:20で、「からし種一粒ほどの信仰」について主が語られるが、当時の人々にとって、この植物はよく知られ、身近なものだったのである。

説教

聖書のなかに13通の手紙を書き残したパウロさん。そのパウロさんが、ローマに向かって船出をした港町、目の前が地中海のカイサリアの町で、わたしはその「木」をみつけました。あるピザ屋さんの庭先に、3メートルほどの高さに、こんもりと繁った「木」がありました。枝先には、黄色い十字の小さな花をつけているのです。それはまさに「なたねの仲間」(アブラナ科)の特徴を示す花です。サラダ油のボトルには、なたねの花の絵が描かれていますよね。みなさんが知っている野菜の中には、このなたねの仲間が多いのですよ。例えばキャベツやブロッコリー、かぶらや大根、白菜や水菜もなたねの仲間で、みんな十字の花をしています。

その「木」の花も枝の先には、なたねと同じ花をいっぱいつけていました。そして枝の下の方には、すでに実が実っていました。実の中を調べてみると、その中にはほんとうに小さな、小さな種がいっぱい入っていました(写真を見てください)。大きさは0.3ミリほどの、まことにかわいい小さな種でした。その種は、イエスさまがおっしゃった「からし種」だったのです。こんなに小さな種の中に「いのち」があり、その種はやがて芽を出して、根をはり、茎を伸ばして成長すると、ほんとうに「木」のようになるのです。そして空の鳥が葉っぱの陰に、鳥の巣を作れるほどに大きな「木」になるのです。イエスさまのお話しを聞く人たちも、ふだんからその「木」のことをよく知っていたのですね。

イエスさまは、お話しを聞く人たちに応じて、いろいろなたとえを用いて、“神の国”のことを人々に教えられました。イエスさまは「神の国を何にたとえようか。それは、からし種のようなものである」、と言われました。神さまがなさることは、私たち人間にはとうていすべてを知ることができません。神さまのみ言葉は、人が知らない間に成長し、大きくなり、豊かに実を結ぶようになります。ほんとに小さいと見えていたものが、まるで「ひとりでに」、何千倍・何万倍もの大きさ、それ以上の大きさになるとイエスさまはおっしゃいます。

神の国とは、まさにわたしたちのただなかで、またわたしたちの間で、神さまが生きて働いておられるということです(ルカ17:21)。そして神さまは、こんな小さくて弱い私たちをも用いてくださるのです。私たち一人一人を、神さまは、「神さまの愛のうつわ」として用いてくださるのです。私たちの中に蒔かれたみ言葉を、小さないのちの種を、イエスさまに愛されている喜びを、確実に神さまは育ててくださいます。神さまが育ててくださるのですから、すべてをおまかせして、イエスさまがこの私を愛してくださっている喜びを、お友達や家族の人に伝えていきましょう。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□10番 「ことりたちは」

□改訂版10番 「ことりたちは」

やってみよう

☆「小さな種を蒔いて育てよう」

<準備するもの>小さな種(何でも)、トマト缶などの空き缶(ラベルは剥がしておく)、キリ、油性マジック

①空き缶の底をキリで数か所穴を開ける。(低学年は、あらかじめ穴を開けておいて、1か所のみ自分で開けるなど、対応して下さい)

②空き缶に自分の名前を油性マジックで書く。色マジックで絵を描いてもよいですね。

③手作り植木鉢の完成!種をまく。

※教会の適当な場所に置いて育てましょう。どんな芽が出るのかな?うまく育ったら敬老の日に教会のおじいちゃんおばあちゃんにプレゼントするのも良いかも?!

はなそう

□花や木、草が成長(生長)するためにはなにが必要でしょうか?その中で人間が与えられるものと人間が与えられないもの(自然が与えるもの)に分けてみよう。

□大きな木が育ったら何に使いたいですか?

□どうしてイエス様はいつもたとえ話をされたのでしょうか?