①救い主を待ち望んでいた人々がいたことを覚えたい。子ろばを貸してくれた者、迎えた者の姿からそれが分かる。
②イエス様が子ろばに乗られたのは救い主の姿が誰よりも低く仕えるものであることを教えるためでした。
・熱狂的に人々がイエス様を迎えたがそれは裏切りへの序章であった。
・枝の主日の後、聖週間に入る。最後の一週間を心整えて歩むためにもお迎えしたということを覚えておくことは大切。
・「柔和」と訳されている言葉で柔和とは「腰をかがめた状態」を指す言葉です。
・枝の主日、棕櫚主日は、イエス・キリストがロバに跨り、エルサレムに入城したときを記念するもので、エルサレムに来たイエスを、群衆が「なつめやし」の枝を手に持ち「ホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように、イスラエルの王に」と叫んで迎えたことを覚え、教会でも聖別して用いたりする。
・ホサナ-アラム語のギリシャ音写で、「おお!救いたまえ」。
・引用されている言葉はゼカリヤ書9:9にイザヤ62:11を加えたものと思われる。
イエス様は三年間旅をして、たくさんの人々がイエス様こそ救い主だと信じて期待するようになりました。いよいよその旅も終わります。エルサレムという首都に入って、最後の一週間を過ごしたあと、イエス様は十字架にかかられ、神さまの栄光を現されます。
王様が帰って来る時はどんな姿で帰ってくるでしょうか。大きなかっこいい馬に乗って、後ろにたくさんの家来と一緒に来るでしょう。イエス様もずいぶん有名になりましたから、王様と同じくらいかっこよく、たくさんの人々に迎えられてエルサレムに入って来られたでしょうか。そうではありませんでした。イエス様の入城は確かに王様を迎えるように人々は迎えますが、入ってくる人はまるで王様らしくない姿で入ってくるのです。見ている人が吹き出しそうになるような姿、足が地面に付きそうな子ろば、荷物を載せるろばの子どもに乗り、そのままの姿で来られるのです。それは最も優しい方、戦いではなく、平和をもたらす者としてここに来ましたとイエス様は言葉ではなく、姿で教えてくださっているのです。子ろばに乗るイエス様は誰よりも腰をかがめ、小さくなられ、貧しかったり、病気のゆえに弱い立場に追い込まれている人と共に歩まれるのです。
そういえば、イエス様の乗られているろばはどうしたのでしょうか。実は弟子たちがイエス様が乗るものを探しに行き、事情を話すと貸してくれる人がいたのです。本当は大事なろばです。今で言うならば、宅急便屋さんが自分のトラックを貸してくれるのと同じです。それを見ず知らずの人に貸すなんて不思議です。そうして貸してあげられたか。それはその人たちが救い主を待っていたからです。長い間待って、待って、待ち続けていたからです。迎えたたくさんの人々も「ホサナ、救ってください」と言っていました。救ってください、神さま一緒に歩んでください。その心を持つときに救い主を心からお迎えすることができます。
わたしたちも自分の大事なものを神さまにお貸ししたりできるほど、神さまのことを大切にしているか今日は考えてみたいと思います。そして、わたしのために仕えてくださるイエス様に感謝して歩んでいきましょう。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
□32番 「ダビデのこホサナよ」
□改訂版82番 「ダビデの子、ホサナ」
皆で下の朗読劇をする(または読んであげる)。
登場人物:ナレーター①~⑤・さんびくん・男①②・おとうさん・イエス様・町の人
場面1;ナレーター①;あるところにロバの子「さんび」くんがいました。さんびくんはいつもにこにこ、皆からかわいがられていました。でも毎日だんだんとそのにこにこがなくなってきて、ためいきばかりつくようになってしまいました。なぜかって?
さんびくん;「あ~あ、ぼくはみんなにかわいがられているけれど、ちっとも皆の役にはたってないなぁ…ちょっとがっかり…」「お父さんはあんなに毎日思い荷物をしょってお仕事しているのに、ぼくはちからもちじゃないからダメダメって言われちゃうんだもん。」
ナレーター①;ダメダメって言われ続けているさんび君はうつむいて歩くようになりました。
♪「子ロバのうた」1番を歌う
場面2;ナレーター②;そんな気持ちになって少しづつ静かになっていったさんびくんでした。ある日のこと、家に二人の男の人が来ました。
男①;こちらにさんびくんというロバくんはいませんか
おとうさん;はい。私の子どもです。何かご用ですか
男②;実はイエス様がさんびくんと一緒にエルサレムに行きたいとおっしゃってます。
おとうさん;それはどういうことでしょうか。さんびはまだまだ小さくて、人に乗ってもらうなど無理だと思います。
男①;そうですか。困りました。イエス様はぜひさんびくんに…とのことで、あなたのご主人にも、さんびくんを連れて行ってよいとお許しをいただいているのですが…。
おとうさん;それは困りました。
さんびくん;おとうさん、ぼく行きたいよ!だってイエス様がぼくに…っておっしゃってるんでしょう。ぼく、イエス様にのってもらう!
おとうさん;そんなことを言っても、もし途中でイエス様がおちたりしたら大変だ。おとうさんは賛成できないな。
男②;おとうさん。イエス様はすべてのことをご存じで、さんびくんに…とおっしゃっているのです。かならずうまくいきますから、さんびくんといかせてください。
おとうさん;さんび、大変なことだぞ。本当に大丈夫なのか?
さんび;うん!!ぼくいっしょうけんめいがんばるよ。だからいってきます。
♪「子ロバのうた」4番を歌う
場面3;ナレーター
③;さんびくんはおとうさんに許してもらって、イエス様のところに行きました。イエス様はやさしい大きな目でさんびくんを見ました。
イエス様;さんびくん、よくきてくれたね。私はおもいけれど、よろしくたのみます。
さんびくん;はい!ぼく、イエス様といられるの、とっても嬉しいです。さあ、早くのってください。
ナレーター③;さんびくんはイエス様にのってもらいました。
イエス様;さんびくん、おもくないかい。
さんびくん;う~、大丈夫。がんばります。よいしょ、よいしょ…。
♪「子ロバのうた」5番を歌う
ナレーター④;イエス様を乗せたさんびくんはよろよろしています。でもイエス様はゆったりとして、さんびくんに堂々とのっています。少しづつエルサレムの門が近づいてきました。
イエス様;もうすこしだよ、がんばって。
さんびくん;はい。
町の人;まあ、あんなにちいさいロバがイエス様をのせているわ。えらいわね。
ナレーター④;どんどん町の人たちがふえてきました。いま、さんびくんはイエス様を乗せてエルサレムに入り、町の人たちは大喜びで歓迎のシュロの葉をふっています。そんな中をイエス様と行くさんびくんは、とっても嬉しくてしかたありません。
さんびくん;はあはあ。もうすこしだぞ。はあはあ。がんばるぞ。
♪「子ロバのうた」6番を歌う。
イエス様;さんびくん、ついたよ。ありがとう。よくがんばってくれたね。本当にお疲れ様。
さんびくん;イエス様、ぼくうれしいです。やっとみんなのお手伝いができたし…。イエス様、ありがとう!
ナレーター⑤;さいごにイエス様はにこにこしながらさんびくんと握手してくれました。子どもにするようになでたり、抱いたりしないで、握手してくれたんです。
おとうさん;さんび、お前も大きくなったんだな。
ナレーター⑤;いつの間にかきていたおとうさんもさんびくんをほめてくれました。さんびくんはとってもうれしくなり、これからもだれかに頼まれたらがんばろうと思いました。それからのさんびくんは、前のようにいつもにこにこしていたそうですよ。おしまい♪
・自分が一番大切にしているものって何?もしイエス様がそれを貸してほしいって言ったらどうする?
・イエス様はご用のために私たちのどんなものを必要としているでしょうか(もの
・きもち等)?出し合って、それをイエス様はどのように用いるか考えてみましょう。