2011年3月27日 四旬節第3主日
ヨハネ4:5-26(-42) 出エジプト17:1-7 ローマ4:17b-25

今週の聖句

「わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。」
ヨハネによる福音書4:14

ねらい

①サマリアの女性の心の飢えと渇きをご存知の主イエスは、主のほうから「水を飲ませてください」と声をかけ女性との対話を始められる。主イエスは、少しずつ彼女の心を解きほぐしつつ、過去と現在の罪を赦し、サマリアの女のうちに、永遠の命に至る水が湧き出るようにしてくださった。さらに、主は彼女を用いて、福音を伝える者としてくださった。

説教作成のヒント

・福音書の中でも、主イエスとある人物との対話が、これほど詳しく書かれているところは少ない。サマリアの女性の心がしだいに癒されていく、そのプロセスに注目しながら、主のみ言葉に学びたい。そのため説教でも紹介しているように、ビブリオ・ドラマ(ロールプレイ)を用いるのも一案である。心の渇きを覚えていたサマリアの女が、実は「わたし」であることに気付かせたい。

豆知識

・イスラエルの昼間はとにかく暑い。多くの人々はその暑さを避けて、早朝に水を汲みに来る。正午ごろに、このサマリアの女性が水汲みに来たことから、町の人たちとの人間関係がうまくいっていなかったことがうかがえる。シカルの町は、エルサレムなどと同じように丘陵地にある。丘陵地に残っている古代の村の井戸の深さを調べるために、小石を落とすと5~6秒してから「ポチャーン」という音が響いてきた。計算すると深さが100m以上もあることがわかる。昔ヤコブが掘ったこの井戸もかなり深かったことが想像される。日中の暑いさなかに、そんな深い井戸に水を汲みにきた女性に、主イエスは優しく声をかけられたのである。

・サマリアとユダヤとの関係については、列王記下17章に経緯が書かれている。

説教

この聖書の箇所は、イエスさまとサマリアの女性の対話が、とても詳しく書かれています。わたしは以前に、このところの聖書の学び会でこんな経験をしました。2人一組になって、イエスさまとサマリアの女性の会話の部分、つまり「かぎかっこ」で書かれている部分を交互に読むのです。できるだけ登場人物の気持ちになって、小さな劇を二人でしているような気持ちで、感情をこめて読み合うのです。ひととおり読み終わったら、次はイエスさまとサマリアの女性の役目を交代します。そして読み終わったら、お互いに感じたことを語り合うというものでした。みなさんにもおすすめします。

暑い暑い正午ごろ、イエスさまはヤコブの井戸のかたわらで、「水を飲ませてください」とサマリアの女性に語りかけられます。そのころサマリアとユダヤの人はとても仲が悪くて、そんな日常的な会話すら、かわす関係ではとてもありませんでした。少しびっくりしている女の人に、イエスさまは「『水を飲ませてください』と言ったのがだれであるか知っていたならば、あなたの方からその人に頼み、その人があなたに生きた水を与えたことであろう」と言われます。そしてさらに「この水を飲む者がだれでもまた渇く。しかし、わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。」とおっしゃるのです。

サマリアの女の人の心は渇いていました。真実に心のうるおいを求めていたのです。そんな女の人に、イエスさまは、霊とまことをもって神さまを礼拝することの大切さを教えられ、「今がその時」だと促されます。そして、「あなたと話しているこのわたし」が、キリストと呼ばれる救い主であることを明らかになさいました。

サマリアの女の人の過去の罪も、現在の罪も、すべてがイエスさまによって赦されました。もうあなたの心は渇かない。あなたの内で、永遠の命に至る水がこんこんと湧き出るようになるのだと励まされるのです。

昔むかし、キリスト教の教会のごくはじめの頃には、復活祭(イースター)に洗礼を受ける人が多かったのです。洗礼を志願する人たちは、ヨハネによる福音書のこの箇所を学び、洗礼の準備をして復活祭に備えたのです。イエスさまは十字架の上で、「渇く」(ヨハネ19:28)と言われ、まもなく息を引きとられました。イエスさまは、わたしたちを救うために、わたしたちにこんこんと湧き出るいのちの水を与えるために、ご自身は「渇く」と言われ、私たちの身代わりとして死んでくださったのです。

聖書のみ言葉を学びつつ、このサマリアの女の人のように、イエスさまと親しくお話しをしましょう。イエスさまは、もう私たちの心の中に、心のすぐそばに来ていてくださっているのですから。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□46番 「やまにはけわしい」

□改訂125番 「イェス、イェス」

話してみよう

・水の大切なこと

・池などのたまり水のこと

・高い山から流れ出る水のこと

・こんこんと岩間から湧き出る泉のこと

・心をうるおす「生命の水」のこと

やってみよう

ここで今まで書いたり、これから書き加えていく「イエスさまのみことば手帳Ⅰ・Ⅱ」の出番です。

みことばを書いたあと、まわりに絵をかくといいですね。

クラスの友だちに見せ合ったり、いじめられっ子や病気で休んでいる子、悲しい出来事にあった子たちに、みことば手帳を見せてあげよう。