2011年3月20日 四旬節第2主日
マタイ20:17-28 創世記12:1-8 ローマ4:1-12

今週の聖句

「このわたしが飲もうとしている杯を飲むことができるか」
マタイによる福音書20:22

ねらい

①「このわたしが飲もうとしている杯を飲むことができるか」と、主イエスが言われるのは、主の受難と十字架の死を指している。洗礼は、主の十字架の死と復活のいのちに与ることである。それは私たちにとって「恵みの賜物」であると同時に、感謝と喜びのうちに歩む道である。

説教作成のヒント

・四旬節は主の受難を覚えるだけでなく、復活の備えをする時である。弟子たちは、主のみ力を信じ、自分たちなりの期待をかけていたため、主イエスが受難予告をされたときに、受け入れることができなかった。

第1回目には、ペトロが「主よ、とんでもないことです。そんなことがあってはなりません」と主をいさめ、主イエスから「サタン、引き下がれ。」と叱責を受けた(マタイ16:22-23)。

第2回目には、弟子たちは「非常に悲しんだ」(マタイ17:23)と記されている。

そのような背景があって、第3回目の受難と復活の予告(マタイ20:17-19)があり、この箇所のテキストにつながる。

豆知識

・「人の子」ダニエル書7:13の「見よ、『人の子』のような者が天の雲に乗り/『日の老いたる者』の前に来て、そのもとに進み」というみ言葉から、メシアを指して用いられていた。主イエスご自身は受難の出来事に関してご自分のことを言われるときに、この言葉を用いられる。多くの人の贖いとしてご自身の命をささげてくださったのである。

説教

イエスさまは弟子たちに、ご自身がこれから歩もうとされている十字架の死と復活について語られます。でれどもその知らせは、弟子たちにとって、受け入れることがむずかしいことではなかったでしょうか。弟子たちにとってイエスさまは心の支えであり、なくてはならないお方です。弟子たちはイエスさまを失いたくありません。「このわたしが飲もうとしている杯を飲むことができるか」と、主イエスが言われた「杯」とは、苦しみを受け十字架上で死なれることを指しているのです。

しかしイエスさまは、十字架につけられるために、エルサレムに向かってまっすぐに進んでいかれます。それは、イエスさまが、弟子たちと永遠に別れるためではなく、十字架の上で死なれることによって、私たちすべての人が救われるためだったのです。そして三日目に復活されたイエスさまは、イエスさまの救いに生きる、永遠のいのちを与えてくださるのです。

弟子たちにこのことを語られたときに、ゼベダイの息子たちの母親が、二人の息子といっしょにイエスさまのところに来て、何かをお願いしようとします。イエスさまが「何が望みか」とおっしゃると、母親は「王座におつきになるとき、この二人の息子が、一人はあなたの右に、もう一人は左に座れるとおっしゃってください」と願うのです。母親は、息子たちがイエスさまの右と左に座ることで、イエスさまからずっと離れずにいることができると考えたのでしょうか。その約束をイエスさまからいただくために、母親として息子たちに、精一杯のことをしてやりたいという親ごころでした。

けれどもイエスさまは、「しかし、わたしの右と左にだれが座るかは、わたしの決めることではない。」と母親の願いをつき放たれます。それは、ただ単に、つき放すことがイエスさまの本意ではなく、つき放すことによって、イエスさまの救いに与れるようにと願っておられたのです。

母親がイエスさまにお願いをする前から、母親がどのようなお願いをするのかをイエスさまは、すでにご存知でした。しかし、あえて母親に対して、「何が望みか」と尋ねられたのです。イエスさまが「何が望みか」と尋ねられたのには深い意味があったのです。

母親やその息子たちが、そして私たちすべての者が、間違ったとんちんかんな願いではなく、イエスさまのいのちに与るという、まことの願いをいだくように、イエスさまは望んでおられるのです。

イエスさまは、今日も私たち一人一人に、「何が望みか」と尋ねておられるのです。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□123番 「かなしいときにも」

□改訂122番 「さあ、共に生きよう」

話してみよう

・偉い人、良い人とはどんな人?

・王様のように大勢の人達を従える人?

・自分のことよりも、大勢の隣人のために召し使いのようになる人?

・「杯」はどんな意味があるのだろう?

・イエスさまの上にこれからおこる苦難のこと…

やってみよう

イエスさまはぶどうの木ですから、私たちはその枝です。

そこにぶどうの実をみのらせよう。

折り紙の白か紫を用意して2cm巾のテープをつくる。

A図-「ぶどうの実」をつくる

B図-「ぶどうのふさ」をつくる

C図-それぞれの「ぶどうのふさ」を輪でつなぎ、みんなでつないでいく。

部屋にかけてかざる。