2011年2月20日 顕現節第8主日
マタイ6:24-34 イザヤ49:13-18 Ⅰコリント4:1-13

今週の聖句

「今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」
マタイによる福音書6:30

ねらい

①自然は神の創造物であり、自然界の営みの中に神の御心が表されているということを示す。

②キリスト教的な生き方として、たとえ現実的には心配なことがあっても、信仰の心においては(神を信頼し、委ねることによって)心配しないということを示す。

説教作成のヒント

・神は自然界を創造し、維持し、守り導いている。その知恵は完全であり、完璧である。その同じ神が人間界も創造し、維持し、守り導いている。

・神は「いのち」という大切なものを与えてくださった。「いのち」の権限が神に属しているように、「飲食物」や「衣服」の権限も実は、神に属している。従って信仰とは、創造し、維持し、守り導いている神をすべてにおいて信頼することである。

・神は人間よりも劣るものを摂理の御手をもって世話をなさる。そうであるなら、人間にはもっと深い配慮をなさるはずである。

・神の創造の目的は「神の国」と「神の義」に向けられている。従って、「神の国」と「神の義」を求めて生きる人は神の意志に一致しており、すべてのことにおいて神を信頼してよい。

・「心配しない」ということが神への信仰の表れであり、「神の意志に従う」ということ、「委ねる」という態度の結果である。

豆知識

・ここで言われているのは、神への信頼を否定するような思い煩いについてであって、当然しなければならない家族の将来のための配慮、準備を否定するものではない。

・「野の花」は、パレスチナ平原の至る所で咲き誇る、野生のアネモネを指すと言われている。この花は一日しか咲かず、枯れると焚き付けにされていた。

説教

私たちの「命」とか「身体」は、神様がお創りになって、私たちに与えてくださったものです。動物とか植物も、みんな神様がお創りになったものです。神様はこの地球をお創りになり、動物たち、植物たちが、みんなで生きていけるように、すべてのものを創られました。小さい動物は、大きな動物に食べられます。でも、大きな動物が死ぬと、その身体は小さいバクテリアたちに食べられていきます。そうやって、バランスが取れているんですね。それから動物はみんな、酸素を吸って二酸化炭素を出します。その二酸化炭素を植物が吸って、酸素を出してくれます。動物と植物との間で、完全なバランスが取れています。神様が完全な知恵でもって、完璧に創られたからです。

神様はそのように、自然の世界を完全にお創りになって、その中で生きている鳥たちや植物たちのことをみんな知っておられます。そして、ちゃんとお世話をしています。だから小鳥たちは元気にさえずるし、野の花もきれいに咲いているんですね。そして、私たち人間のことも、自然の生き物たちのことを見てらっしゃるのと同じように、神様は見ておられます。ちゃんと私たちのことも考えて、お世話なさっています。神様がお世話なさっている姿というのは、私たちの目には見えません。でも、イエス様は、こう仰います。「神様は、小鳥や野の花よりもずっとずっと、あなたたちのことを大切に考えておられる」と仰っています。このイエス様の言葉を信じて生きていきましょうね。神様は私たち一人ひとりの人生をもお創りになっていて、導いておられます。

どうなるか分からない時、自分が望んでいない状況になりそうな時、不安になったり、心配になったりしますよね。でもそんな時にも、神様のことを信頼していましょう。イエス様が仰ったように、私たちの人生は神様が責任もってお世話して、導いて下さっているのですから、本当は何も、心配する必要はありません。神様のお導きがあることを信頼して、安心して、神様の御心に委ねていきましょう。神様が知らんぷりなさっていることはありません。神様は必ず、みんなのことを知っていて、ちゃんと導いてくださっています。

神様が人間をお創りになった目的は、「神様の国」を実現して、「神様の御心」(「神の義」というのは「神様の御心」という意味です)を実現するためです。神様はどんな時でも、そのために私たちを導いてくださっています。もしかすると、時には、「神様はどうして助けてくれないのか」とか「どうして神様はこんな目にあわせるのか」と思うこともあるかもしれません。でもそういう時でも、神様は、その経験を通してみんなを「神様の国」へと導き、「神様の御心」を実現するために、敢えてそのように為さっているのです。神様は必要なことしか為さいません。今日のイエス様の言葉を信頼して、どんな時にも心配しないで、神様の御心に信頼して、お委ねする気持ちで生きていきましょう。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□103番 「どんなにちいさい」

□改訂版58番 「どんなに小さい小鳥でも」

やってみよう

☆思い煩うな

空の鳥、野の花(私たちの周りの生き物、自然)が神さまの御手によって、環境に適した美しい姿に創造され、いのちを与えられ、そして育まれていることを子どもたちと分かち合いましょう。

~活動例~

□図鑑や写真などで色々な動物や植物を見る。

□一つをクローズアップして取り上げる。(先生自身が飼っているネコについて、など)

□身近な動物、または植物を実際に見たり触れたりする。

□自然をテーマにしたドキュメンタリー映像を鑑賞する。

聖書には「今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。ましてあなたがたにはなおさらのことでないか・・・」と記されています。私たちが、どれ程神さまに愛され守られている存在か知り、神さまの愛の中で安心して毎日を過ごせるように祈りましょう。