2010年12月5日 待降節第2主日
マタイ3:1-12 イザヤ11:1-10 ロマ15:4-13

今週の聖句

「主の道を整え、その道筋をまっすぐにせよ。」
マタイによる福音書3:12

ねらい

洗礼者ヨハネは、イエス様より半年早く生まれ、生涯イエス様を指し示し続けた。人々が救い主を迎える準備をするための役割を担った。私たちもヨハネと同じように主を指し示していきたい。

説教作成のヒント今日の箇所は三部構成といわれる。

・ヨハネの宣教を聖書の言葉で基礎付けた(1―3節)

・彼の姿やその洗礼の様子を記述(4―6節)

・裁きについてのヨハネの説教(7―12節)

豆知識

・上の作品は、近代彫刻の父”と呼ばれるオーギュスト・ロダン(1840-1917)の説教をする洗礼者ヨハネ像。

・洗礼者ヨハネは「『悔い改めよ。天の国は近づいた』と言った。」(3:2)。「悔い改め」とは日本語で「回る心」と書き、「改心」ではないことに留意。神さまに背を向けていた人が、180度神さまに向き直るという意。

・「クリスマス」は英語の「Christmas」で、語源は「キリストのミサ」("Christ'sMass"Christ+Mass)。

説教

皆さんは彫刻家のロダンという人を知っていますか。「考える人」の像がよく知られています。彼は今日の福音書に登場した「洗礼者ヨハネ」(説教をしている所といわれる)も彫刻にしました(上図参照)。その彫刻は、「考える人」のように男性的な体の引き締まった像です。しかしその特徴は、解剖学の見地から計測、分析したところ、体の前でVの字に屈折している腕が異常に長く、伸ばすと膝まであります。さらに左足が右足より長く作られていることから、一般的に人間ではありえない長さです。あえてそのように造ることで、手や足が動いて見えるかのような躍動感を生み出しているのです。このようにロダンの洗礼者ヨハネに対する強調点は、彼がイエス様のことを力強く宣べ伝え「悔い改めよ。天の国は近づいた」と、皆に語り継いだことを伝えたかったのでしょう。

洗礼者ヨハネは、イエス様より半年早く生まれ、生涯、イエス様を指し示しつつ、人々が救い主を迎える準備をするための役割を担いました。彼が登場してくる場所は草木のない砂漠のような場所、「荒野」でした。「荒野」と聞いて皆さんは何を想像しますか。現代を荒涼とした時代で荒れ果ててすさいるということも想像出来ますし、私たちの心が荒んでいる、ともいえます。そこに、彼の「主の道を整え、その道筋をまっすぐにせよ」という言葉が響くのです。

洗礼者ヨハネはイエス様を「待つ人」としての苦しさを知り、それに耐えました。自分の短い一生が、ただ短かっただけでなく、全く無意味であったかもしれない悲しみを思いながらも生き続けた生涯でした。けれどもイエス様を指し示すことで、彼のこの世での生は十分に神さまから用いられたのです。

私たちはどうでしょう。私たちが洗礼者ヨハネの言葉どおり、正直に自分の罪(自己中心的、絶えざる自己正当化/byルター)を認めて悔い改める時、主の道は整い、クリスマスが来る道筋がまっすぐなものに変えられるのかもしれません。キリストの救いであるクリスマス(直訳「キリストの礼拝」の意)が私たちにダイレクトにやってくるのです。私たちも洗礼者ヨハネの声を聞き、主を指し示しながら、クリスマスまであと2週間「悔い改めにふさわしい実を結」ぶごとく、歩んでまいりましょう。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□57番 「しゅよわたしをあわれみ」

□改訂65番 「主を待ち望むアヴェント」

話してみよう

「まっすぐの道」はどんな道?

平野のあるところには、まっすぐの道がありますが、砂漠や山岳地帯ではどうでしょう。

・山をけずり、谷をうずめて平らにします。

「心の道」はどうしますか?

・(谷)悲しいこと、苦しいこと、困っていること、なまけていること……

・(山)うぬぼれ、とよがり、わがまま、自分勝手、いじめっこ……

・相手の気持ちを少しでも分かってあげる。どんな人でも、一緒にイエスさまをお迎えできるように。

やってみよう

☆道を備えよう

A4白紙 クラス人数分縦一列につなぐ。

一番上に+(十字架)をかき、下から+(十字架)に向かって、まっすぐの道を皆で書き上げる。