TNG The Next Generation

2010年10月10日 聖霊降臨後第20主日

福音書 ルカ17:11-19
第一の日課 列王記5:1-14
第二の日課 Ⅱテモテ2:8-13

今週の聖句

「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」
ルカによる福音書17章19節

ねらい

・自分がいやされた、つまり、神がこの自分をいやしてくださったという事実は、「こんなわたしにも恵みが与えられた!」という喜びであると考えたい。

説教作成のヒント

・ユダヤ人とサマリア人はサマリアがアッシリアに破れた後、多くの人が混血の存在ということを主な理由に、反目し合うようになっていたのです。

・反目し合っていたユダヤ人とサマリア人が一緒に行動していることは普通ならば考えにくいことですが、その中で苦しむ者同士として支え合い、助け合いながら生活していたのは、人と人とがお互いの違いを超えて苦しみの中での連帯するという現れなのでしょう。

・「知る」は直訳では「見る、分かる」です。

・祭司のところに行き、病気が治ったことを宣言してもらえれば社会復帰できる。イエスはもともと、病にあった方々を人々の中に戻すおつもりであった。

豆知識

・神の国はあなたがたの間にあるというイエスのことばがありますが、近さとは人間が感じる距離、わたしから近いのではありません。イエスは、この出来事のように、民族の違いを超えて、神の救いの喜びが広がっていく現実の中に、神の国の実現を見ているのです。

説教

今もイエス様の時代も、ハンセン病などの重い皮膚病がありました。ほんの少し前まで日本ではハンセン病が発症した方々は療養所に入らなければならず、家族と暮らすこともできませんでした。それはどんな悲しみでしょうか。今日、イエス様はサマリアとガリラヤの間に位置するある町に入ると、十人の重い皮膚病を患っている人がイエス様一行を迎えます。サマリア人とガリラヤ人が一緒に暮らすということは常識的にはないのに、重い皮膚病を患った人々は助け合っていきていました。彼らは「わたしは汚れた者です」と言いながら一般の群れから間隔をおいて歩いていかねばならない掟があったのです。しかし、彼らがイエス様に出会ったとき、「わたしは汚れた者です」という叫びが「どうか、わたしたちを憐れんでください」という祈りに変わりました。自分だけを見つめて、絶望だけでもうダメだと座り込んでいましたが、そんな状態からどんなに自分の病気が希望のないものであろうともイエス様が憐れんでくださったから、その問題は解決する。イエス様が来てくださったから大丈夫。主の手が届かないところはないという信仰に変わっていったのです。「主よ、憐れんでください」との叫びが何かを変えたのです。イエス様に出会っても、ただ路上ですれ違ったにすぎなかった人も多かったことでしょう。けれどもその中でこの十人を含め、ある人々はイエス様との出会いを経験したのです。彼らにはイエス様に対する深い信頼があったから、主よという叫びがあったからです。すれ違っている人は何度イエス様に会っても単なるすれ違いでしかないけれども、ただ一回だけであってもイエス様に出会った人はイエス様の力、みわざ、栄光に拝することができて、そして、神さまの愛に気づかされるのです。

重い皮膚病の十人はイエス様に直していただき、祭司に見せに行ったあと、一人だけを残して、自分の街に帰ってしまいました。最後の一人もイエス様のところに来た後、イエス様は「立ち上がって行きなさい」と言われます。わたしと一緒に来なさいではないのです。イエス様は重い皮膚病の人々が家族と共に生きることの大切さを知っておられたのでしょう。だから、帰されるのです。

大切なことはイエス様の愛がわたしにあったことを忘れないこと。そして、イエス様から何かしてもらうことよりも、イエス様が共にいてくださることを知ることなのです。それこそが神さまがわたしたちに与えてくださっている恵みなのです。それに気づくことがキリスト教の「信仰」です。すべての人に恵みはあります。あとは気づくか、気づかないかです。わたしたちは主が共にいてくださると気づいたとき、喜びに満たされます。それはもう苦しみも悩みもなくなるからではなく、たとえ、様々なことがあろうともそのことを恐れない強さを与えられるからです。それは神共にいます、という信頼によるほかはないのです。「行きなさい」と言われた後も主は一緒におられます。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□51番 「わたしはしゅのこどもです」

□改訂123番 「わたしは主のこどもです」

話してみよう

・他人に対して、神様に対してどのようなとき感謝していますか?

・信仰と感謝にどんな関係があるのでしょうか?

・今までに、人から感謝されたことはありますか?その時、どう感じましたか?

やってみよう

☆「赦された時のうれしい気持ちを表そう」

準備

こどもさんびか2の85番を歌う。

活動

赦された時、どんな気持ちになるか一人ひとりに聞く。

嬉しい、ニコニコしちゃう、幸せ、気分が明るくなる・・など皆で分かち合う。

その気持ちを体でどう表せるか、考えます。

バンザーイ!思い切りジャンプ!スキップしてランラン♪ギャロップなどが出たら、嬉しい気持ちを表して、歌いながら体を動かそう!

♪かみさまに かんしゃしましょう(ジャンプジャンプ)

ハレルヤ ハレルヤ ハレルヤ(ギャロップギャロップ)

かみさまは よいものを くださった(バンザイバンザイ)

ハレルヤ ハレルヤ ハレルヤ(スキップスキップ)

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