TNG The Next Generation

2010年9月26日 聖霊降臨後第18主日

福音書 ルカ16:19-31
第一の日課 アモス6:1-7
第二の日課 Ⅰテモテ6:2C-19

今週の聖句

「やがて、この貧しい人は死んで、天使たちによって宴席にいるアブラハムのすぐそばに連れて行かれた。」
ルカ福音書16:22

ねらい

②神さまは私たちが、病気のときも、健康なときも、他の人が見捨てるときも、守って下さる。

説教作成のヒント

・ラザロの様子が冒頭で記載。「できもの」がラザロの身体にはあった。当時は特に、このような病を、神の祝福から外れた者、と解する風潮が為されていた。ラザロもそういう眼の中にある。

・ほどなくしてラザロは死ぬが、そのラザロは天国で神の宴席に加えられるものになった。ラザロは少なくとも、生前神に祈るとかの記載はない。だが神はそんなラザロをも御許に招くのだ。

・生前の善行悪行に神は報いるということではないように思う。大切なことは、神のみ言葉に耳を傾けること、その言葉に従って生きようと願い、祈ること。そのことの大切さを日課は示す。

豆知識

・金持ちが「紫の衣」を着ていたとある。紫は高貴な色である。だが、目に見える高貴さ、豊かさがそのまま天国に直結すると云うことはなく、むしろ、見えない部分も含め神は考慮なさる。

・聖書には多くの「病んだ人」「貧しい人」「虐げられている人」が出てくる。私たちはこの人々の存在を、本当に大切に受け止めたい。元気な時には想像も出来ない痛みが入院中には起こる。

・アブラハム、モーセ、預言者等、少なくとも子どもには耳慣れない人名が登場する。彼らは無論旧約聖書の人々。言い換えれば、聖書そのものである。み言葉を大切にすることが云われる。

説教

【導入】説教奉仕者自身、ラザロをどのように説明できるだろうか、すなわち、病気を抱え、それ故に他者からの交わりを阻害され、一人で生きざるを得なかったものの心境を説明し得るだろうか。ラザロの心地を説明することによって、初めてラザロの喜びの真意が分かるに違いない。自身の病気との体験や、或いは社会との交わりを阻害された経験等、話して見るのも良いかもしれないと思う。

【初めに】病気になりたいひとは、だれもいません。病気になると、入院をしたり、退院してもお家で休まなければならないからです。元気ならば遊んだり仕事をしたり、そういうことが出来るのに、病気は私たちから自由を奪ってしまいます。昔の日本や、イエスさまの時代はそれに加えて、病気をした人は他の人から無視される、ということがありました。今日の聖書もそういう人が出てきます。

【聖書】ラザロという人が出てきます。ラザロは「できもの」があったと書かれています。身体にぶつぶつができて、そのために周りの人から仲間はずれにされたのです。ラザロはそれでも、元気になりたい、みんなと仲良くしたいと思っていましたが、誰もラザロに声をかけませんでした。一方でたくさんのお金を持っている人は、毎日キレイな洋服を着てご馳走を食べて遊んで暮らしていました。

【聖書2】ラザロもお金持ちもやがて死にます。ラザロは神さまが用意して下さったご馳走を食べています。でも金持ちは、熱い地獄で苦しい思いをしています。金持ちはラザロが美味しいご馳走を食べ、楽しく暮らしているのを見つけます。金持ちは神さまに、喉を潤す水を頂戴と言うのですが、神さまは、生きている間に良いものを貰っていたことを思いなさい、と言うのです。それならばと金持ちは言います。自分の兄弟たちに、こう云う地獄に来ないように言い聞かせて欲しいと云うのですが、神さまは、兄弟たちが今、聖書に目を通して置けば、こんな所には来ない、と言うのです。

【結びに】私たちは、毎日が楽しいということはありません。時には嫌なこともあります。でも神さまは、そんな私たちをきちんとご存じですから、毎日をきちんと確かに、生きて行きましょう。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□49番 「しゅイエスのひつじ」

□47番(改訂版) 「小さい子どもの」

やってみよう

☆寸劇をしよう「天国に行くには」

<役>金持ち、ラザロ、アブラハム、ナレーター、天使、(人数によっては、前半、後半で役をわけてください)

ナ「あるところに、金持ちがいました。その金持ちは、いつもきれいな服を着て、毎日ぜいたくに遊んで暮らしていました。」

金「うまい!うまい!今日もごちそうだ。もっともっと持ってこい。」

~ラザロ、ふらふらと金持ちの前に横たわる~

ナ「金持ちの家の門の前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわりました。」

ラ「お腹すいたなぁ~。寒いなぁ~。ああ、おいしそうな、いいにおい。せめて、テーブルの下にこぼれた物でも、食べたいな~。」

ナ「時が過ぎ、やがてラザロは死んで天使たちによって、天国にいるアブラハムのすぐそばにつれていかれました。

~天使たちは、ラザロをアブラハムのそばにすわらせる。~

ナ「そして、あの金持ちも死んで、陰府(よみ)に連れていかれました。」

~天使たちは、金持ちをアブラハムから遠く離れた所にすわらせる。~

金(もだえながら)「ああ、暑い!苦しい!」

ナ「ふと、遠くを見ると・・・」

金「あっ!父アブラハムのそばで笑っているのは、ラザロではないか!」

ナ「金持ちは、大声で言った。」

金「父アブラハムよ!わたしをあわれんでください。ラザロをよこして、指先を水にひたし、わたしのに舌を冷やさせて下さい。わたしは、炎の中でもだえ苦しんでます。

ア「子よ。思い出してみるがよい。おまえは、生きている間、良いものをもらっていたが、ラザロは、反対にわるかれくるいものをもらっていた。今は、ここで彼は、なぐさめられ、おまえは、もだえ苦しむのだ。」

(おしまい)

※この金持ちのように、いつも自分だけのことを考えていては、天国へ行くことはできません。神さまは、みんなを天国へとまねきたいと思っています。すぐ、となりに苦しんでいる人がいても気づくことができないとこの金持ちのようになってしまします。すぐそばに、ラザロさんのように困っている人がいないか探してみましょう。

pdf / 印刷用レイアウト

次の日課へ ホーム 前の日課へ