2010年6月13日 聖霊降臨後第3主日
ルカ7:1~10 列王上8:41~43 ガラ1:1~10

今週の聖句

「ひと言おっしゃってください。そして、わたしの僕をいやしてください」
ルカによる福音書7章7節

ねらい

説教作成のヒント

・6節bの百人隊長の友達の言葉は、謙嬢の言葉。ユダヤ人にとって異邦人は汚れた者で、自分の家に迎え入れることは、そのユダヤ人であるイエスに汚れを及ぼすことになる。それを避けるため、また謙嬢の心で語っている。異邦人との接触が「汚れ」を与える、というのは、ユダヤ人の側の一方的な考えである。言わば、身勝手で、おごり高ぶりの規定である。けれども、そのユダヤ人の間の風習を認め、思いやる気持ちをこの百人隊長は持つ。その習わしに沿うように事を運ぼうとすることは、考えさせられるものがある。

・百人隊長の頼みは、自分のためではなく、部下のため。

・8節は、イエスの言葉の権威への信頼の表れ。イエスは神の権威の下にあって、また、その権威を行使する、ことを認識している。「権威ある者の言葉が下に伝わる徹底さ」を百人隊長自身も知っていたし、主の権威もその言葉のみで徹底的に成されることを信じていた。その信頼にイエスは感心する。

・異邦人への福音伝播は使徒言行録にあるように使徒に託される。ここは、その萌芽としてある。

・異邦人である百人隊長が助けを求め、一生懸命に手を尽している姿、ユダヤ人の長老に頼み、また友達に頼んでいる姿に部下への愛情が表れている。

・病んでいる人や苦しんでいる人の苦しみや悲しみに共感する人々の姿に注目していることはルカの特徴である。例7:11以下(大勢の人が悲しむやもめに付き添うやさしい気持ちを持った人々の記載)5:17以下(人々の愛情からの必死な姿)他の福音書と微妙に違う。それらの人々の他者のための必死さ、叫びに対して主がお答えになる、そして、また主ご自身もその思いを抱かれているであろうが、それが結果いやされることになる。

豆知識

特になし

説教

(周りの人々のやさしい心に焦点を当てたい)

今日の聖書で出てきます百人隊長というのは、ローマの国の軍隊の100人の兵隊をまとめる、言ってみれば偉い人でした。その人の部下(その人に仕える人)が死にそうな病気になっていました。隊長はとても心が痛みました。どうにか病気が治るように必死に祈りました。そこへイエス様が通られることを聞いて助けを求めます。けれども、ローマの人とお付き合いすることは、ユダヤの人にとってはよくないとされていました。そこで、隊長は、そのユダヤの人の気持ちを大切にして、人に頼んでイエス様に助けてくれるように一生懸命考えてしました。まず、知り合いのユダヤの人の長老の人にイエス様に頼んでもらいました。その頼みを受け入れてイエス様は助けに向かわれました。その途中で、隊長の友達が来て、イエス様のお言葉だけいただければありがたい、病気の人はきっとそれだけで治ると伝えました。この考えは、隊長の考えでした。隊長が友達にそうイエス様に伝えるように頼んだのです。それもまた、イエス様はユダヤの人だったので、自分たちローマの人の所に来たら、イエス様にとって申し訳ないという思いからだったのです。

イエス様は、この隊長の思いと、そしてイエス様なら助けてくださることができるという信頼の気持ちをとても喜ばれました。そして、隊長の部下は「元気になった」と聖書は伝えています。

イエス様は、人を元気にすることがおできになります。そのことを百人隊長は信じました。そして、いろんな人に助けてもらって、イエス様のお力をいただくことができました。

今日、私たちが考えたいのは、百人隊長がいろんな人に助けてもらうことを一生懸命して、そして、そのいろんな人(長老、友達)も、その隊長の気持ちを大事にして、一生懸命になって協力した、ということです。なぜ、そういうことができたでしょうか。それは、思いやりです。苦しんでいる人、困っている人を、どうにか助けてあげたい、という気持ちだったのです。その気持ちをイエス様は分かっていてくださった。そして、助けを与えてくださったのでした。

私たちの周りには、困っている人がいるでしょう。その人のつらい気持ちを感じる心をみなさんは持っているでしょう。自分ひとりでは、その人を助けることができない場合もあります。でも、いろんな人の力をいただいて、力を合わせて、どうしたら助けてあげられるか一緒に考えることができます。私たちは、一人で悩むのではなくて、みんなで助け合っていきましょう。イエス様もそのことをとても喜んでくださるのです。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□6番 「しゅをほめたたえよ」

□32番(改訂版) 「すべての人よ」

話してみよう

・イエス・キリストによって元気になるということが起こったこの記事だったが、今回は死にかかっている人が元気になった。「主によって元気になること、主が私たちを元気にしてくださること」について、「どうして主は元気にできるか」という観点から話し合ってみる。子どもの感性で、どんな意見が出てくるだろうか。この物語からだけでは難しいが、今まで教会学校で聞いたり、学んだりしたことから自由に話し合ってみる。

・なぜ、救いがユダヤから出なければならなかったか考える。キーワード「罪の赦し」

やってみよう

☆父の日を覚えて

おうちのお父さん、おじいちゃん、おじさん、近所の大好きなおじさん・・・などなどお世話になっている人に優しい心のおくりもの

よろこんでくれるかな?きっとよろこんでくれるさ

木製ハンガー・・・ポスカなど油性マジックで絵やメッセージなどペインティング。カラフルなハンガーにへんしん!

ワイヤーハンガー・・・リボンや布(5cmくらい)をまいてメッセージを書いてプレゼント

*ハンガーは100円ショップなどで購入してください。クリーニング屋さんのワイヤーでもOK