・イエスさまのいやしの業は、自分が注目を集めたり、有名になるためのものではなく、目の前の困難な中にある人に対する、心からの共感から出たものであることを学ぶ。
・イエスさまのなさった奇跡の業についての話は、大人の方がかえって理解が難しいことがある。
・奇跡の実態がどうであったか、という問題は横におくとしても、イエスさまの行為の動機の部分に焦点をあてて学ぶという方法もある。
・身近な事例から、相手の立場を深く思いやって行動に移していった人物を取りあげて学ぶことが出来る。
・ここでとりあげて井深八重さんについては、インターネットなどからも情報を得ることが出来る。
・イエスさまや弟子たちが日常的に使っていたのは、アラム語である。しかし新約聖書は、地中海世界の共通語であったギリシャ語で書かれている。
・今週の聖句で取りあげられている「エファタ」は、新約聖書の中でアラム語表記がそのまま使われている珍しい箇所である。
・他のアラム語表記は、「タリタ・クム」(マルコ5:41)などがあげられる。
みなさんは、ハンセン病について聞いたことがありますか?ハンセン病はウィルスの感染によってかかる神経の病気ですが、昔は一度かかったら一生治らない恐ろしい病気だと考えられていました。そのためこの病気にかかった人は、家族から見捨てられるようにして、社会から切り離された山の中などにある専門の病院に強制的に入院させられました。そして、病院から一歩も外に出ることも出来ずに、一生、病院の中だけで、貧しく、厳しい生活をしなくてはならなかったのです。このハンセン病の患者さんのために、看護婦として一所懸命働いた女性に、井深八重さんという方がおられます。彼女は、お金持ちのおじさんの家で何不自由なく大きくなりましたが、22才の時に結婚を前にしてハンセン病だと診断され、何も知らされないまま、ハンセン病専門の神山復生(こうやまふくせい)病院に無理やり入院させられてしまうのです。結婚もダメになり、学校の先生の仕事も失って、社会から切り離されてしまった八重さんは、怖い所だと思われていたハンセン病の専門病院に入れられて、いったいどんな気持ちだったでしょうか。
けれども彼女は、その病院でひとりのカトリックの神父さんに出会います。この神父さんは、恐ろしい病気だと思われていたハンセン病の患者さんたちと、笑顔で親しく交わり、この神父さんのもとで、患者さんたちが生きる喜びを取り戻しているのです。彼女はそこで、聖書の言葉と向き合い、神さまに従って生きることの意味を深く考えさせられました。その病院で一年の時が過ぎ、東京の病院で再び診察を受けた八重さんは、なんと自分の病気がハンセン病ではなかったことを知らされます。最初のハンセン病という診断は間違いだったのです。彼女は、晴れて自由の身になったのでした。
けれども彼女は、自分が出会った神父さんや患者さんたちを忘れることが出来ませんでした。彼女は看護師になるための学校に入学して勉強し、正式に看護師となって、自分が入院していた病院の看護師となったのです。人々の偏見が強かった時代に、社会から見捨てられてしまったような病院での仕事は本当に大変でしたが、彼女は高齢になるまで、患者さんたちのために献身的に働き続けたのでした。
今日の聖書の箇所でイエスさまは、耳が聞こえず、上手くしゃべることが出来なかった人を前にして、「深く息をついた」、といいます。それはイエスさまが、目の前の人の苦しみを、自分の苦しみのように感じて、深く共感した、と言う意味です。
わたしたちは、イエスさまのように病気を治す不思議な力は持っていません。けれども、イエスさまのように、困っている人、苦しんでいる人の姿を見て、その人の気持ちを想像してみることが出来ます。もしわたしたちが、そのような想像力をもっているのであれば、困っている人を目の前にした時に、自分が出来ることをすることによって、小さな事でも、何か手助けをすることが出来るのではないでしょうか。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
□123番 「かなしいときにも」
□改訂版133番 「歩こうみんなともに」
カチカチと音のする時計を持って来る。
自分の耳に指を入れて時計の音が聞こえるか聞こえないか試してみる。
二つのチームに別れて片方のチームはみんな耳に指を入れて聞こえない様にする。
別のチームが声を出さないで大きな口をあけてみんなで「イエスさま」とか「せいしょ」とか好きな言葉を言って当ててもらう。出来たら交替する。
耳の聞こえない人、聞こえにくい人はどんな時に困るか想像して話し合う。
高学年
昔は体の不自由な人は(耳でも目でも手足でも)みんなから差別されていたことを学ぶ。
イエスさまは差別されている人や弱い人も神様から選ばれた大切な一人であることを色々な時に私たちに教えて下さいました。聖書の中でどんなお話があったかおもいだしてみましょう。