TNG The Next Generation

2009年9月6日 聖霊降臨後第14主日

福音書 マルコ7:24-30
第一の日課 ヤコブ1:2-18
第二の日課 イザヤ35:1-3

今週の聖句

「主よ、しかし、食卓の下の小犬も、子供のパン屑はいただきます。」
マルコによる福音書7章28節

ねらい

・ギリシア人の女性が、真剣にイエスさまに向き合ったことにより、イエスさまから求めるものを与えられたことを知る。

・文化や習慣が違う外国人であっても、心を開いてむきあっていくときに、お互いが通じ合い、豊かにしあう関係が生まれてくることを知る。

説教作成のヒント

・最初、イエスさまが女性の願いを断ることに違和感を感じるかもしれない。そこで、「外国人は神さまを信じない人たちだ」ということが前提とされていた、という、という当時の社会についての背景説明を加えたい。

・日本社会の中でも、外国人が暮らしにくい環境の中で生き抜いていることを、できれば身近な事例の中から拾い出してメッセージを豊かにしたい。

豆知識

・ティルスの地方というのは、イエスさまが活動されたガリラヤから見て北方の外国にあたる。聖書巻末の地図「6.新約時代のパレスチナ」が参考になる。

・当時、精神的な疾患は悪霊の仕業と考えられていた。

説教

みなさんの身近に、外国人のお友だちがいますか?そのお友だちと、みんなは仲良くできているでしょうか。

タツロウくんは、おなじ班のカズヤくんが、あまり好きではありませんでした。何故かというと、一緒に遊ぼうと思って誰かが話しかけても、すぐにアッカンベーをして、みんなの輪の中に入らずに逃げていってしまうのです。だから、みんなで遊ぼうと思っていても、カズヤくんがいると、なんだか盛り上がれない感じがします。忘れ物も多いし、そのせいでいつもタツロウくんの班は、クラスで一番になれないのでした。それである日、タツロウくんは、家に帰ると、お母さんにカズヤくんの文句を言いました。

すると、お母さんは、「たっちゃん。あそこの家のお母さんは外国の方なのよ。忘れ物が多いのは、学校からの日本語のプリントを、お母さんが読めてないからじゃないかしら」、と教えてくれました。カズヤ君も日本語がまだ充分には出来ませんし、外国の人が、日本で生活していくには、なかなか大変なことが多いのです。タツロウ君は、それから、自分がカズヤ君の最初の友だちになろう、というふうに決めました。そして、学校でもらったプリントについて書いてあることを、出来るだけカズヤくんに説明してあげることにしたのでした。

今日の聖書に出てくる女の人も、イエスさまやお弟子さんたちが暮らしていたユダヤの国の人たちから見たら、外国の人でした。ユダヤの国の人たちは、何かというと、神さまのことを信じていない外国の人たちを、自分たちよりも下に見ていたのです。

もしかしたらイエスさまの中にも最初、「この人は外国の人だから、神さまを信じない人なのだ」、という思いがあったのかもしれません。それで、最初にこの人が、自分の子どもから悪霊を追い出して病気を治してほしいと頼んだ時に、「子供たちのパンを取って、小犬にやってはいけない」、と言って、そのお願いを断ったのです。ここでは、子どもたちというのが、ユダヤ人の困っている人たち、小犬というのは、外国人の人たちのことを意味しています。外国人のことを小犬というのは、外国人のことを下に見た表現だと感じられますよね。けれどもこの女の人は、1回断られたくらいでは引き下がりませんでした。「食卓の下の小犬も、子供のパン屑はいただきます」、と言ってイエスさまに食い下がりました。この女の人が、真剣に、一所懸命にイエスさまに願い求めている様子を見て、イエスさまは心を動かされたのでしょう。人と人との出会いが、それまで持っていた先入観や、知らない国の人たちを見下すような思いを越えて、イエスさまの心を動かしたのです。女の人が家に帰ってみると、子どもの病気は、すっかり治っていた、ということです。

わたしたちも、民族や国籍が違ういろんな国の人たちと、心を開いてたくさんであっていきたいと思います。最初は、お互いが違うことにとまどうかもしれませんが、自分と違ったところのある人と仲よくすることができれば、自分の心も大きく広がっていきます。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□56番 「かみよこのひ」

□改訂版31番 「主よ、おいでください」

やってみよう

机の上に人数分のお皿を置きパンを少しずつ切って入れてみんなで食べてみましょう。

次に机の下に紙を敷いてパンを小さくちぎってばらばらと置き机の下に入ってパンを食べてみましょう。

どっちが美味しい?机の下で食べるのも面白いし美味しいかもしれないねえ。

でもいつも何時も机の下で食べるのはどう?ちょっと犬みたいねえ。

もしこれがパンでなくてとっても美味しいケーキだったら机の下におちたのも食べる? 等々話し合ってみましょう。

高学年

イエスさまは「子どもたちのパンを取って子犬にやってはいけない」と言われました。

いつもエスさまは優しいと思っていたけどなんだか意地悪みたいですね。

子どもたち、って誰の事でしょう。子犬って誰の事でしょう。話し合ってみましょう。

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