①自然をも支配されるイエスの姿が記されているが、そのイエスの力に期待するのでなく、イエスと共にいることの平安を伝えたい。
②恐れるなというのは、恐れない強さを持つ者になることでなく、イエスが共にいてくださることを知っているということである。
・「湖」:ガリラヤ湖のこと。ガリヤラ湖には、ときどき、突風や大波の起こることがあるようである。
・「風を叱り」:自然をも支配されるイエスの姿である。コロサイ1:16には「万物は御子によって、御子のために造られました」とある。また、ニケア信条にも「すべてのものは主によりて造られたり」とある。
イエス様とお弟子さんたちは、小舟に乗ってガリラヤの湖を渡ろうとしていました。お弟子さんの中の、ペトロさん、アンデレさん、ヤコブさんやヨハネさんは、イエス様のお弟子さんになるまで、ガリラヤ湖で、魚を捕る漁師として働いていましたから、みんなは舟でガリラヤ湖を渡ることなど簡単なことだと思っていました。もう日が沈みかけていましたが、空に雲はなく、夕焼け空です。風もありません。舟はゆっくりと進んでいきます。舟に乗るまで、今日一日、大勢の人がイエス様の周りに集まっていたので、イエス様もお弟子さんたちも大忙しだったのです。だから、少しほっとした気分で、舟に乗っていました。
そんな時、突然が、強い風が吹き出したのです。今までの穏やかさが嘘のようです。風は強まるばかりです。波もだんだん大きくなってきます。それでも、ペトロさんたちは平気です。「まかしといてください」と波に大きく揺れる舟を操っています。けれども、風は強まるばかり、波も大きくなるばかりです。漁師だったペトロさんたちも、だんだん不安になってきました。もう、人の背より大きな波が舟を襲ってきています。舟の中は、水浸しです。ペトロさんたちが、いくら頑張っても、舟は言うことを聞きません。みんな、大慌てです。その時、お弟子さんたちは、イエス様が舟の後ろの方で、眠っておられるのを見つけました。お弟子さんたちは、イエス様にむかって叫びました。「イエス様!私たちがおぼれてもかまわないのですか!」お弟子さんたちは、こんな大変な時に、何もしてれくれないイエス様に、お弟子さんたちは怒ったのです。
イエス様は、起き上がり、湖に向って「黙れ。静まれ」と言われました。すると、それまでの強い風と大波が、突然おさまり、穏やかになりました。びっくりしているお弟子さんたちにイエス様は静かに言いました。「まだ、信じていないのですか。」
イエス様は、お弟子さんたちのことをどのように思っておられたのでしょう。強い風と大きな波を怖がって、大騒ぎしていたお弟子さんたちは、イエス様が一緒にいてくださることを忘れていたのだと思います。そして、イエス様が一緒にいてくださることを思い出したとたん、「おぼれてもかまわないのですか!」とイエス様に怒ったのです。そんなお弟子さんたちに、イエス様が「私が一緒にいるから大丈夫だよ」ということを伝えようとされたんだね。
嵐のような日、怖いなと思うことは、私たちもあると思います。けれども、そんなときにこそ、大騒ぎをしないで、心を静めて、「イエス様、一緒にいて、守ってください」とお祈りをすることが大切なんだね。
*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より
□88番 「かみさまのあいは」
□改訂版40番 「神様の愛は」
弟子たちに本当の信仰がない事をイエスさまはご存知でした。きっと弟子たちもドキッとしたことでしょう。礼拝の時や教会の中だけでなく、お祈りは、いつどこででも出来るのです。神さまに親しく話しかけるようなお祈りカードを作ってみましょう。
<用意するもの>
紙(好みの色、大きさで。小さな子どもが書く場合は、大きめの方が良い。)
□「神さま、うれしいことがありました。」「神さま、今悲しいきもちです。」「神さまありがとうございます。」「神さま、こわい事があります。」など、はじめの一言をいくつか用意し、その中から今の気持ちにピッタリなものを選ぶ。
□何を祈ってよいのかわからない時は、イエスさまが教えてくださった主の祈りがあります。結びにみんなで主の祈りを唱えても良いでしょう。