十字架にかかられたイエス様はお弟子さんたちと一緒の時間を過ごしました。その中でシモン・ペトロという一番弟子にこう尋ねました。「シモン・ペトロ、誰よりもわたしを愛しているか」と。ペトロさんは自信をもって「愛しています」と答えました。でも、イエス様は微笑みながら、二度、三度と同じ質問をします。「わたしを愛しているか」と。みんなも同じことを何度も聞かれたらどんな気分がするでしょうか。きっと嫌な気分、相手が自分のことを信じていないんじゃないかと疑ったりするでしょう。ペトロさんも悲しくなりました。そして、実はペトロさんはイエス様が十字架にかかられる時に周りの人にイエス様のことを知っているだろうと言われたときに「知らない」と三度言ったことを思い出しました。イエス様はペトロさんを苦しめるためにこんな質問をしたのでしょうか？そうではありません。イエス様はペトロさんの失敗を知りながら、でもわたしはあなたを愛している。そして、弟子として一生懸命働いて欲しいと言われるのです。「わたしの羊を飼いなさい」と羊飼いとして多くの人に仕えるようにとイエス様はペトロさんにお願いをしました。羊飼いは羊のことをかわいがります。間違った方向に行かないように導いてあげます。その働きをするのです。そして、ペトロさんは自分の弱さを知ったので、他の人が弱さをもっていても優しい心で接することができるでしょう。

わたしたちもイエス様から使命を与えられています。「わたしの羊を飼いなさい」という言葉を通してイエス様の言葉を伝えていく使命をいただきました。そして、その働きをできるのは自分が偉いからではなく、イエス様がわたしたちの弱さを助けてくださるからだと知りましょう。何度も何度もわたしたちは失敗をします。でも、失敗を恐れて何もしないのではダメです。たとえ失敗をしても神さまは赦してくださいます。神さまを愛する心があれば、どんな困難にも負けず、イエス様の言葉を伝えていけることを知りましょう。