2009年4月12日 復活祭
マルコ16:1-8 イザヤ25:6-9 Ⅰコリ15:21-28

今週の聖句

「あの方は復活なさって、ここにはおられない」
マルコによる福音書 16:6

ねらい

①マルコが伝える「復活のキリストの福音」は、「ガリラヤ」から始まることを伝える。

②その福音は、わたしたちの日常生活にも届けられていることを伝える。

説教作成のヒント

・メッセージをする者にとって「復活のキリスト」はどこにおられるのかを黙想する。

豆知識

・「安息日が終わると」(1 節)…「安息日(土曜日)の日没が来ると」という意味で、午後六時を指す。私たちの感覚では「土曜日の夕方に」というところだろうか。安息日にはあらゆる労働が禁じられているため、店も閉まっている。安息日が終わればその規定は解かれるから、香料を買いに行くことができるわけである。

・「マグダラのマリア」…彼女については 9 節で「以前にイエスに七つの悪霊を追い出していただいた婦人である」と説明されている(ルカ 8 章 2 節も参照)。

・「ヤコブの母マリア」…イエスのこの世の母であろう。40 節で言われている小ヤコブとヨセがイエスの兄弟(マルコ 6 章 3 節)であるなら、その可能性は高くなる。

・「サロメ」…ゼベダイの子ヤコブとヨハネの母である。かつてイエスに、二人の息子がイエスの右と左に座れるようにと願った女性でもある(マタイ 20 章 20 節)。

・「油(=香料)を塗る」ことは、墓の中の臭気を抑える処置であり(ヨハネ 11 章 39 節)、当時、香料は王の埋葬時などに使用されていたことを考えると(歴代誌下 16 章 14 節、エゼキエル書 16章 9 節)十字架刑によって処刑された者に対する処置としては異常なものであった。女性たちのイエスに対する最大限の敬意と、深い愛が感じられる。

・「あの方は、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる。かねて言われていたとおり、そこでお目にかかれる」(7 節)…マルコにとって「ガリラヤ」は単なる地名ではなく、特別な意味を持った場所である。ここはイエスの故郷、公に宣教開始の宣言をされた地であり(1 章 14-15 節)、最初の弟子たちを召した場(1 章 16-20 節)であり、「宣教し、悪霊を追い出された」(1 章 39 節)ところであった。預言者イザヤによれば「異邦人のガリラヤ」であるが(イザヤ書 8 章 23 節)、そのような「辺境の地」からこそ神の福音は始まることを、マルコは福音書を結ぶにあたり、特別な思い入れをもって宣言しているのである。生前のイエスが人々と共に生きた「生活の場」であったガリラヤからこそ、復活のキリストの福音は始まるのだと。あの出発点に、「信仰の原点」へと戻れ!と。

説教

「週の初め(=日曜日)のごく朝早く」3 人の女性たちが墓に向かいました。イエス様が十字架にかかられたとき、男性の弟子たちは恐れのあまりみんな逃げてしまいましたが、最後までイエス様のそばにつき従い、お世話をし、見守っていたのは女性の弟子たちでした。彼女たちはイエス様が亡くなって、すでにお墓に葬られたことを見届けていましたから、その気持ちはひたすらお墓へと向かっていたのです。わたしたちも、愛する人・大切な人との「別れ」や「死」を体験したとき、その心は、愛する人との楽しかった過去の思い出に向かうのではないでしょうか。

その 3 人とは、マグダラのマリア(イエス様に七つの悪霊を追い出していただいた女性)、イエス様のこの世の母親であるマリア、そしてサロメ(ヤコブとヨハネの母)でした。イエス様の体に「香油」を塗るために出かけて行ったのです。もうこの世でイエス様にお会いすることはできないけれども、せめてその体に香油を塗り、大切に葬りたい…。彼女たちは、そんな気持ちでいたことでしょう。

ところが…!です。お墓に行ってみると、入り口にある大きな石がすでに脇へと転がされていて、そこに「白い長い衣を着た若者」(=天使)が立っていたのです。そして、ひどく驚いている女性たちに告げました。「あの方は復活なさって、ここにはおられない」(6 節)と。えっ!!「ここ(=お墓の中)にはおられない」とするならば、いったいどこにおられるのでしょう。そう、「ガリラヤ」です。

このガリラヤは、イエス様がかつて、およそ三年にわたりたくさんの弟子たちと共に生活し、病気や差別に苦しんでいる人たちと出会って罪のゆるしを宣言し、心と体を癒し、神様の福音を宣べ伝えたところでした。まさに「信仰生活の原点」だったのです。そのような場所であるガリラヤに「復活のキリスト」はあなたたちより先に行かれる(あなたたちに先立って今行かれている!)と天使は告げます。

そのことを「弟子たちとペトロに」告げなさいと言われています。これは「弟子たち、とりわけペトロに」という意味です。覚えているでしょうか。ペトロは、イエス様が十字架にかかられる直前、周りの人たちに「イエス様など知らない」と三度も言ってしまった弟子でした(マルコ 14 章 66~72節)。イエス様にことのほか大切にされ、愛された人だったのに、そんなことを思わず口にしてしまったのでした。しかし、とりわけそのペトロに、イエス様が復活されたメッセージを伝えなさいと天使は言うのです。

わたしたちも何か大きな失敗をしたり、間違いをしてしまうことがあるでしょう。大切な人を傷つけてしまうことだってあるに違いありません。でも、そのことで「もうダメだ」と自分を必要以上に責めることはありません。いつでも、どこでも、何度でも、復活のキリストがあなたに出会い、語りかけ、励ましてくださるのですから。復活のキリストは、あなたを見捨てることは決してありません。そして、弟子たちにとってはキリストと出会う場所が「ガリラヤ」であったように、私たちにとっての復活のキリストは、学校や家庭、私たちが生活しているあらゆるところにいてくださるのです。本当に感謝なことですね。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□113番 「くさのめきのめが」

□改訂版91番 「主の復活、ハレルヤ」

やってみよう

早天礼拝をしよう

イースターの朝早くにマグダラのマリアらがイエスさまの葬られた墓に行き、そこで知ら

された嬉しい知らせをおぼえて朝早くに(6 時~7 時?)外で礼拝しましょう。

礼拝の後、隠してあったイースターエッグをみんなで探します。

隠すときには数をかぞえておくと「あと何個・・」というときに参考になります。

そのあとには簡単な朝ごはんを皆で食べます。

例えば・・・おにぎり&味噌汁 ホットドッグ&スープ など・・・。

4月26日の日課、復活したイエス様と弟子達のなさった朝の食事の話を紹介するのも良いと思います。

礼拝までの時間に・・・献花のおてつだい

紙で卵、うさぎ、ひよこなどを描き、針金の先にテープで貼る。献花に添えて飾ります。

必ず前もって献花の係の方と連絡を取りましょう。

他には受付などに小さな花を飾り、そこに添えても良いと思います。

はなそう

・「イエスさまが墓の中におられない」と聞いて、マリアたちはどんな気持ちだったでしょうか?考えてみ

ましょう。

・“復活なさった”という意味を、すぐに理解できたと思いますか?想像してみましょう。