2009年4月5日 枝の主日
マルコ11:1-11 ゼカリヤ9:9-10 フィリピ2:6-11

今週の聖句

「主がお入り用なのです。」
マルコによる福音書 11:3

ねらい

① 3 節の御言葉から、私たちすべてがイエスに求められ、必要とされていることを知る。

② 使いに出された弟子たちが「イエスの言われたとおり話すと」(6 節)、持ち主は子ろばの借用を許してくれた。私たちもイエスの言葉に信頼していくことを伝える。

説教作成のヒント

・マルコ福音書は、イエスの最後の一週間を一日ごとに追っている。(11:1・日、11:12・月、11:20・火、14:1・水、14:12・木、15:1・金、15:42、16:1・土、16:2・日)。

・また、金曜日については三時間ごとに追っている(15:1・六時、15:25・九時、15:3・正午、15:34・十五時、15:42・十八時)。全体を読むと、イエスの十字架から復活までの出来事がいっそうリアルに響いてくる

豆知識

・「イエスは二人の弟子を使いに出そうとして」(1 節)…「使いに出す」は「派遣する」という言葉で、これが後に「使徒」という言葉になった。

・「(主は)すぐここにお返しになります」(3 節)・・・直訳すると、「(主は)すぐに子ころばをここに派遣します」となる。子ろばもイエスによって必要とされ、派遣された使徒のひとりとして、大切な役割を担っているのである。

・9~10 節は、元来は詩編 118 編 25-26 節からの引用である。「ホサナ」は「今、救いたまえ」という意味。多くの人々は持てるものを尽くし、イエスを迎えた。熱狂的とも思える人々の叫び・歓迎は、長く不条理な苦しみを背負わされてきた民としての、魂からの叫びであったに違いない。彼らがイエスに期待していたのは、「我らの父ダビデの来るべき国に、祝福があるように」(10節)という言葉からも分かるように、「イスラエルの再建」であった。また、使徒たちが、昇天しようとしていたイエスに「主よ、イスラエルのために国を建て直してくださるのは、この時ですか」(使徒 1 章 6 節)と尋ねているところからみれば、弟子たちの期待もそこにあったことが分かる。人々の期待する王(=メシア)は、「イスラエルのために国を建て直す」力ある支配者であったのだ。

・人々の期待とは 180 度異なった使命を神から託され、十字架上での処刑へと進んで行くイエス。人々は後に、ホサナと叫んだその同じ口で、イエスを「十字架につけろ」とののしるのである。第一の日課、ゼカリヤ書 9 章 9~10 節に記されている「高ぶることなくろばに乗って来る王」こそまことの救い主、キリスト・イエスの姿にほかならない。

説教

いよいよ、イエス様のこの世での最後の一週間がはじまりました。イエス様は十字架にかけられ、殺されて、すべての人たちの罪をゆるす救い主(=キリスト)となるために、エルサレムへと入って行かれます。「(イエス様の)一行がエルサレムに近づいた」(1 節)のは日曜日のことでした。今だったらどうでしょう。自動車か何か、便利で速い乗り物で行くかもしれませんね。大切な使命に向かわれるにあたって、イエス様が乗り物として選ばれたのは「子ろば」でした。イエス様は二人の弟子を使いに出して、「近くの村に子ろばのつないであるのが見つかるから、借りておいで」と言われたのです。持ち主が「どうしてそんなことをするのか」と聞いたら「『主がお入り用なのです』と言いなさい」、とおっしゃいました。子ろばの持ち主はとても不思議に思ったことでしょうけれど、「イエスの言われたとおり話すと」(6 節)許してくれました。イエス様のおっしゃることは、必ずその通りになるのです。

たとえば、馬は戦争のときに王様が乗る動物で、いうなれば「力の象徴」です。イエス様に死刑の判決を下したローマ総督ポンテオ・ピラトは、この力強い軍馬に乗っていました。それに対してイエス様は、優しく、荷物の運搬や農作業に使われたおとなしいろばに乗って来られたのです。人々にとってろばは一家を支える大切な働き手、財産でしたが、イエス様の時代には、ノロマで価値の少ない動物だとも思われていました。 そのことは、現代でもあまり変わらないようです。東京の上野動物園に勤めていた小森厚(こもりあつし)さんという方が、上野動物園でいちばん人気のない動物はろばで、ほかの動物の柵の前では立ち止まって見る人も、ろばの前ではみんな素通りしていく。ろばは動物園でも注目されないでかわいそうだと、ある本の中で書いておられました。

ちなみに、ろばは背中に十字のしるしをもつ唯一の動物だと言われます。もしかしたら、これから十字架へと向かうイエス様を乗せた子ろばの背中にも、十字模様があったかもしれませんね。その意味で、この子ろばこそ、イエス様を背に乗せる使命を担うために派遣された、大切な使徒のひとりだったのです。「主がお入り用なのです」。今朝はこの言葉を、みんなの心に覚えてください。子ろばは、このイエス様の言葉にしたがって、与えられた使命を果たしました。イエス様はみなさん一人ひとりにも「主がお入り用なのです」と、「あなたにしかできない・あなたにこそできる神様のご用があるのだよ」と語りかけ、求め、必要としてくださるのです。その福音を味わい、信じて、わたしにできることは何かを一緒に考えましょう。「主は馬の勇ましさを喜ばれるのでもなく/人の足の速さを望まれるのでもない。主が望まれるのは主を畏れる人/主の慈しみを待ち望む人」(詩編 147 編 10-11 節)というすばらしい御言葉があります。私たちには一人ひとり、神様から個性を与えられています。足の早い人、遅い人、手先が器用な人、細かな手作業は得意ではない人、話すのが大好きな人、話すよりも黙ってジッと物事を考えているのが好きな人、スポーツが得意な人、それよりも本を読むほうが好きな人…。一人ひとり、与えられている個性は違います。しかしどんな人も、イエス様にとってなくてはならない大切な存在なのです。

分級への展開

さんびしよう

*讃美歌は”こどもさんびか”(日キ版)より

□32番 「ダビデのこホサナよ」

□改訂版82番 「ダビデの子、ホサナ」

やってみよう

ホットクロスバンズをつくろう!

欧米では受苦日(金曜日)にこのパンを食べる習慣があります。

イエスさまがこの世界を救ってくださった、というシンボルとしての十字架の模様を表面

につけます。バターなどをつけてもおいしく食べられます!

ここでは簡単にホットケーキミックスで作ってみましょう。

ホットケーキミックスの生地を箱に書いてある作り方にしたがって混ぜますが、(ここが大

切!)手でまとめられるくらいのかたさに水分を調節して軽く打ち粉をし、小さな子ども

の手のひらぐらいの大きさに丸くまとめます。

天板に並べたら危なくないテーブルナイフなどで少し深めに十字の切れ目をいれます。

まず予熱をします。オーブンなら 170 度で 20 分ぐらい、オーブントースターなら 10~15

分ぐらい。途中焦げそうになったら、アルミ箔をかけるなどします。

焼き立てをあたたかいうちに!

はなそう

・誰かが歩くための道に、特別な敷物が敷かれている所を実際に、またはテレビでみたことがありますか?

(例:結婚式の赤い敷物とか etc…) どうして、特別な敷物を敷くのでしょう?どういう意味があるのかな?調べてみましょう。

・調べたら、そのことと、今日の聖書の箇所で人々がイエスさまが通る道を作ったことには、なにか関連が

あるかな?